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未来は既に決まっているのか?

購入から半年、昨日ようやく読了した本。『生物から見た世界』。

第十二章の「魔術的環世界」が実に不思議。

「環世界」とは本のタイトルに有る通りの「生物から見た世界」そのもの。単純に言うと、人間と他の生物ではそれぞれ見える世界が違うってこと。

魔術的な例としてエンドウゾウムシの幼虫がえんどう豆が柔らかいうちにトンネルを掘っておき、将来豆が固くなった時そして自分が成虫に生まれ変わる時にそのトンネルから脱出して外界に飛び出すというもの。

引用する。

この虫はエンドウ豆がまだ若くて軟らかいうちに時宜よろしく表面まで達するトンネルを掘っておき、成虫のゾウムシに変態した後、その間に堅くなってしまったエンドウ豆から脱出するのにそのトンネルを利用する。問題は、ここには、設計としてはじつに見事であるが、ゾウムシの幼虫の立場からすればまったく無意味な行動が関与していることである。なぜなら、将来のゾウムシが受けるであろう感覚刺激がその幼虫に到達するはずはないからである。

ユクスキュル; クリサート; 日高 敏隆; 羽田 節子. 生物から見た世界 (岩波文庫) (p.137). 株式会社 岩波書店. Kindle 版.

なぜエンドウゾウムシの幼虫は自分の未来がわかるのであろうか?

そう考えると未来は既に決まっているのか?と言う単純な疑問にたどり着く。

同時期に似たようなエピソードを知る。それは日本人初のノーベル賞受賞者である湯川秀樹博士未来感。湯川博士は「未来の形は既に決まっており、そこに人間のエネルギーが注ぎ込まれると現実となって現れる」と考えていたそう。

これも人間の環世界なのだろうか?

気になってググるとこんな記事がヒットした。

記事中の動画にある後半部分が湯川博士の考え方だと推測する。ふむふむ。

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