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映画『TAR』の感想

プライムビデオで映画『TAR』を視聴。実は昨年プライム登場時に吹替版を観て、今回は字幕版を観た。なので2回目。

ラストが全くわからなかったのでもう一回観たというわけ。結論としては2回目も全くわからなかった。

極端に説明が少ない映画なので、最初のインタビューシーンで主役の背景がなんとなくつかめる程度。結構集中力を要する。

映画で描かれるテーマを以下に羅列

・パワハラモラハラ
・ジェンダーギャップ
・LGBTQ
・キャンセルカルチャー
・人種差別
・世代間ギャップ(ジェネレーションギャップ)

など。近頃話題のテーマをこれでもかと詰め込んだ形。表向きはキャンセルカルチャーに多く割かれている感じ。

ただ、個人的には真面目にまっすぐに仕事に取り組むという仕事人間という目線で観てしまった。まっすぐすぎて曲がったことが出来ないと言うか。

ただ、上り詰めてしまうとそれが高慢となって、マイナスな方向へ働きまくった結果としてのラストなのかと。

それでも、ラストシーン一歩手前で実家に帰った時、自分の原点を見つめ直して再起を決意する様には単純に感動してしまった。

結局自分の置かれる立場や、目線で映画を観てしまうんだろう。例えばZ世代ならば、TARの部下目線で観てしまうだろうし(キャンセルする側)、もっと上の世代ならTARにキャンセルされる側目線になるかもしれない。

歴史に名を残してきた偉人たち。それぞれの功績は素晴らしいものはあるかもしれないが、必ずしも人物像は素晴らしいと言えないということは往々にしてある。

例えば、ルソーという偉大なる思想家。彼がいなかったら、我々庶民にも人権があるという概念がなかったかもしれない。そんな彼も私生活は変態紳士だったと自伝に書いているそう。現代だったら確実にキャンセルされている。

そう考えると、ある人物のスキャンダラスな一面だけで功績全てをキャンセルするのはいかがなものか?とも考えてしまう。

映画の副産物としてAppleMusicクラシカルでクラッシク音楽を聴くようになった。この分野にこれまで全く触れてこなかったけれど、聴いているとこころが落ち着く。

NHKオンデマンドでこれも観た。

で、肝心なラストシーンはネタバレサイトで確認してしまった。これは世代間ギャップのラストだったんだな。知らないとついていけない。


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