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狼にとっての自由は羊にとっての死

「京医6名、阪医4名合格講師」による受験対策講座(841)

 学校革命=スクールレボリューション(532)

■ 狼にとっての自由は羊にとっての死 

 米国の経済・社会システムは機能不全に陥っている。民主主義を信じていないカルト的なドナルド・トランプ前米大統領が11月の米大統領選で勝利して返り咲く可能性もある。トランプ大統領を生み出したのは新自由主義だ。「実に徴候的で、何かが間違っているのだ」(同)

  スティグリッツ氏と同じノーベル経済学賞受賞者でオーストリア学派のフリードリヒ・ハイエクは1944年に「隷属への道」を発表した。

  大恐慌後、マクロ経済の安定を維持する政府の役割が見直されるようになったが、ハイエクは大きな政府が権威主義的な政治体制につながる危険性を指摘した。

  サッチャーとレーガンが主導した新自由主義の柱になったハイエクの「隷属への道」は、英国のアイザイア・バーリン氏に「狼にとっての自由は羊にとっての死を意味する」と揶揄される。

 私は日本の受験制度のもとで生業を営んでいる。そして、受験制度は原則「公平な制度」だと信じている。アスリートの世界と同じで実力主義が貫徹されている。政治家のような世襲などアスリートや学者の世界にはない。

 しかし、その一方で受験も「狼にとっての自由は羊にとっての死」だと感じている。受験で合格を勝ち取った者は狼となって、落ちた者たちを踏みつけてのし上がっていく場合が多い。それは、アスリートも同じこと。

 しかし、運動も頭脳も遺伝的な要素が大きいことは科学的に実証済みだ。また、生まれは選ぶことが出来ない。富裕層に生まれるか、極貧の中に生まれるかは選べない。私は「努力すれば乗り越えられる」と信じているが、現実に目をつぶっているだけかもしれない。

 勝者は自分を勝者にしてくれた制度を変えようとしない。富裕層は、現在の制度が壊れてもらっては困るのだ。政治家、官僚、大企業の社長。あるいは、アスリート、学者など現在の制度の中で金と名声を得た人たち。狼たちの自由は羊の死を意味していないだろうか。

 労働者の9割は中小企業に勤務している。1割の人だけが経済的な恩恵を受ける社会は歪だと思う。難関大に合格できるのは同世代の2%くらいだし、メダリストはもっと少ない。大多数の人たちは羊なのだ。

★当塾の医学部合格実績★
京大医学部医学科6名(2024,2022, 2016, 2014, 2013)
阪大医学部医学科4名(2023-3名、2014)
名大医学部医学科2名(2018, 2013) 

高木繁美。「高木教育センター」塾長。
 名古屋大学卒業後、アメリカユタ州で中学校教師をした後、帰国。英検1級、通訳ガイドの国家試験、国連英検A級、ビジネス英検A級などに合格。京大二次試験を7回受けて出題傾向を調査。英語81%、数学70%の正解率。少林寺拳法二段。ジャッキー・チェンの前でヌンチャクを披露したことが自慢。「私の京大合格作戦」(エール出版)2020年度版から2022年度版に漫画化されて掲載。チャットワークを用いた質問無制限の通信添削を全国の難関校受験生対象に募集中。「高木教育センター」検索。桑名市で指導中。God bless you. 指導を希望される方は、HPをご覧ください。

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