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コンセプトアートとはなんぞや?

こんにちは。

コンセプトアーティストの高原さとです。

ノートでの初投稿記事になりますこれからコンセプトアートやものづくりに関するお役立ち情報や how to などを投稿していきたいと思いますよろしくお願いします


僕は現在はフリーランスのコンセプトアーティストとして、映画やゲーム、アニメなど、幅広くアートやデザインを提供しています

最近だと幼女戦記の劇場版や、VRZONEのラピッドリバーなどの仕事をしてました


しかしまだまだコンセプトアートというものの存在や役割は、世間一般の人には認知されておらず、学生の人にもコンセプトアートって一体なんなのって聞かれることが多いです。

今日はまずコンセプトアートとは何かそしてコンセプトアーティストはどういう仕事をする人たちなのかということを説明したいと思います

コンセプトアーティストとはコンセプトアートを作成するアーティストのことです。

ではコンセプトアートとは何か


Wikipediaによると、、

「コンセプトアート(英: concept art)とは映画、コンピュータゲーム、アニメーション、漫画などで使用するデザイン・アイデア・雰囲気などを最終製品として仕上げる前に視覚化して伝えることを主目的としたイラストレーションの一形態である。ビジュアル開発やコンセプトデザインなどとも呼ばれる。」(出典 Wikipedia より)

うーんこれはざっくりしてますね。

まあおおむね正しいと思います。ただどういう風にコンセプトアートが役に立つのかについて書かれていませんね。その辺りを説明しようかなと思います。

コンセプトアートとは設計図です。映像やゲーム、アニメーション、建築物など、何かを作る時に、作るものの完成形のイメージを事前に共有するために作るアートの総称のこと。

 だからコンセプトアートは特定のテイストや形式の絵、描き方を指すものではないです。

コンセプトアートでは目的が大事なのです。目的がないものはコンセプトアートとは呼べません。

一体その絵は、何のために描くのか、そしてこの先どういう風に形になっていくのか。
それを考えながら書かないと良いコンセプトアートにはなりませんたんに絵が綺麗であればいいとか、かっこよければそれでいいとかそういうわけではないのです。

例えば映画のコンセプトアートであればプロジェクトの初期段階に描かれたものを想定してみましょう。いわゆるプリプロダクションってやつです

まあ初期段階って言ってもめっちゃ長いんですけど(笑)


仮に初期の初期と想定しましょうか。映画の企画が、立ち上がったばかりで、まだ誰もその映画の画面のイメージを持っていない時。

そこでコンセプトアーティストの出番です!まずとにかく何か三に見えるイメージを作らなければいけません。この辺の仕事が、コンセプトアーティストで一番楽しいタイミングだと思います。このタイミングではざっくりでもいいので全体のイメージがわかる絵が求められることが多いです。まだディテールを細く描く必要はないです。あ、ディテールっていうのは細かい装飾であったり質感であったり構造であったりのことです。細かく書かない代わりに、ワクワクするような絵で、イメージが膨らむような絵が描けたらいいですね。


例えばこんな感じの絵を描いたりするのかな、ゲームだったら。この絵は自主制作で描いたものなんでコンセプトアートとは呼べないんだけど。

まぁイメージしやすいので例として挙げてみました。この絵はMMORPGのステージのアートを想定して描きました。ファンタジー・雪・世紀末・異世界・冬等のキーワードでてきますね。中央の木の光が強くなると、氷の地面が割れてボスキャラが登場してきそう、みたいな演出の話もできそうです。

このようにプロジェクトの初期の初期の段階でゼロからイメージを作成し、アイディアを膨らますときに作るコンセプトアートのことピッチコンセプトと呼びます。

ピッチについては、下記の記事の中で、株式会社ineiの代表のと富安健一郎さんが解説してくれてますね。

富安さんは日本で唯一のコンセプトアート専門会社の代表の方です。いや、唯一ではないか。でも一番有名な感じがしますね。昨今のコンセプトアートブームをはじめ、コンセプトアートの認知がここ数年で一気に広がったことは富安さんの影響が大きいような気がします。

ピッチから始まり、キャラクターコンセプト、シーンコンセプト、アセットコンセプト、プロダクションアートと続いていきます。ピッチコンセプトはプロジェクトの初期段階のものですが、プロジェクトが進むにつれてコンセプトアートの目的も変わっていきます。

他の段階のアートの説明は説明はまた今度にしますが、共通する役割は、やはり設計図だと思います。

【後日談】プロダクションアートについてもまとめました↓


コンセプトアートを設計図として、事前に確認し、完成形のイメージをスタッフと共有する。そうすることで実際にそれを作る時に起きるであろう問題を事前に解決したり方向転換したりすることのために使うことが多いです。

CG 制作を始め映像やゲーム制作ではものすごく多くの時間と多くの人数が必要になります。 だから、あらかじめどういうものを作るのか、それが本当に作れるのか、コンセプトアートで確認するのです。


さて今日はコンセプトアートとは何かについて、基本的な事を解説しました。基本的ですが、一番重要です。
どうですか、楽しそうでしょ(笑)?コンセプトアートやりたくなってきませんか?

コンセプトアートの考え方って、映像を作る上だけではなく様々なものを作る上でも使えるしその考え方っていうのはとても役に立つものだと思うんですよね。
そして何よりコンセプトアートを書くのってものすごく楽しいんですよね。

だからこの記事を読んで、コンセプトアートを描きたいとか、コンセプトアーティストになりたいっていう人が増えたらいいな。


僕のYoutubeチャンネルでも、コンセプトアートを描く際に使えるテクニックを紹介しています

興味があればそちらも見てください



コンセプトアートについて学びたければこちらの本がおススメです↓

「ファンタジーの世界観を描く コンセプトアーティストが創るゲームの舞台、その発想と技法」

僕は大学生の時この本を読み、コンセプトアートに興味を持ちました。

コンセプトアートの描き方と考え方、仕事でどう使われるのか


日本語の本ながら、かなり詳しく解説してくれてます。

絵もカッコいいい


PS:学生さんでもそうでない人でも質問がある人は Twitter や DM コメントなど何でもいいので気軽に連絡してください。「高原、お前間違ってるぞ」っていう人がいたらガンガンツッコミ入れてください(笑)

ではまた。

note以外に、ブログも描いてるのでそっちも見に来てくれたら嬉しいです↓

これから絵を描きたい人へ伝いたいこと






食費に当てさせていただきます