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いりこのあれこれ

さてはて、今日はいりこについてのうんちくを一席。

「いりこと煮干しって違うの?」なんて質問を受けることが、たまにある。

答え…

「呼び方が違うだけで同じもの」。

なんだぁーいっ!って、初めて聞いたときになりました。

東日本では「煮干し」、西日本の方では「いりこ」と呼ばれることが多いそう。

東北出身の私はあまり馴染みのない出汁文化(そもそも実家に出汁の概念が存在しなかったっけね。)。

“魚介類を塩水で煮て乾燥させた食材” の総称を「いりこ(煮干し)」と呼ぶことが一般的(素干しや焼き干しといった例外もあるよ)。

【いりこの仲間たち】

「いりこ」と聞いてイメージするのはやはり「イワシ」が多いのではないでしょうか?

実はまだまだ仲間がおりまして。

例えば「アゴ(トビウオ)」「秋刀魚」「鯵」「鯛」「鯖」など、割とイケイケなメンバー構成ですね(背中が青い子が多い)。

私たちがスーパーで目にしているいりこは、「カタクチイワシ」や「マイワシ」が主流。

見分け方は「」です。スーパーにいることジッと見つめてみてください。

片口イワシは顔がキリッと男前。真イワシは、ほにゃんと柔らかな女の子みたいな顔をしておられるので気になる方は調べてみてね。

その他、いりこの特徴をさらりとご紹介。

◇◇◇◇

▼アゴ(トビウオ)
脂肪が少ないのでさっぱりしている。

▼秋刀魚・鯵
甘みが強く、昆布や節と合わせることが多い

▼鯖
コクがあり、クセもある。昆布や節と合わせることが多い

◇◇◇◇

【いりこのすごいところ】

<すごいとこと3選>

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1、イノシン酸がたっぷりで旨味がギュッ
2、カルシウムやビタミンD、亜鉛や鉄分が豊富
3、貧血や低体温の方の味方!

臭みが苦手ってな方もいるかもしれませんが、鰹節と違ってお味噌汁のお出汁でつかうなら、漉さずに具として食べられるのもポイントが高い。
時間がないよー!なんて方にもぴったりですね。

【カタクチイワシについて】

スーパーに並んでいるいりこはだいたいこの種類。
ちょっとおもしろいのが、日本海側や太平洋側で育った子と、いりこが特産でもある瀬戸内の子では、個性がまるで違うのです。

ここから目を閉じて海を想像してみましょう。

まず、日本海や太平洋の海はどうでしょう?

ちょっと波が激しめだったり、緩やかになったりしているイメージ。

一方。瀬戸内はというと、穏やかそのもの。

この波がいりこたちにも大きく関係しておりまして、波が荒くなりがちな日本海や太平洋で育ったいりこたちは、体育会系気質。荒波に揉まれるせいか、身がキュッとしまっています(背中の色も青っぽい)。

さて、瀬戸内の穏やかな波で育ったいりこたち。
のーんびり、ゆったり、のびのびと育ちまして、なんだかべっぴんさん。背中の色も白っぽく、銀色にキラキラと輝いています。身も、柔らかなんですって。

調べれば調べるほど奥深すぎるぜ、いりこの世界っ!

次の記事では「カタクチイワシ」をつかったお出汁の引き方をご紹介。

お後がよろしいようで。

食べたいものをつくる人 高橋 拝。






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