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三粒に種 〜鳥と虫と人間と〜

一粒は空を飛ぶ鳥のために

一粒は地の中の虫のために

残りの一粒は人間のために


という農のことわざがあります。
"三粒に種"と言うそうです。

甲信地方は6月頭に突然の梅雨入りになりました。
6月半ば現在までは連日降り続くこともなく、大雨もなく、順調に豆まきを進められていて、程よい梅雨でラッキーです。

一方刈り取りの日が迫ってきた小麦畑は、徐々に金色に色づいています。

北アルプスへの日の入りと小麦畑

うちの小麦畑は、"三粒に種"のことわざ通り、スズメが1〜2割食べていきます。

まだ穂に青さが残る時から、毎日朝昼晩食べ放題のバイキング会場!

地域で一番先に登熟していく品種だし、味もきっと絶品だろうから、まぁしょうがない笑
しかし本当に美味しそうに群がって食べているから、年々「食べないでー!来ないでー!」が「好きなだけ食べていって〜」に変わっていく感じが良いです。

だいたい450kg稔っているところ、50kgは食べられている見込みなので、経営的には2万円以上の損失になります。
例えば1000円かけて鳥よけキラキラテープを張り巡らせると、鳥さんはそこそこ寄り付かなくなるなど、他にも徹底的に鳥除けする方法はあるのだけど、それをやろうとは思わない。

未来のため総合的に良い選択はきっとスズメを生かすことだと思うからだ。感覚的に。

これでいいのだ〜。

こんなふざけたサルたちにも恵みは与えられる
自然よありがとう

こういう精神があるからだろうか、有機農法や自然農法農家にお金もちが少ない理由が少しずつ分かってくる。

バクテリア、菌、微生物、小動物、植物、そして人間。
農を通していろんな生き物について学び、触れ、感じることで人間至上主義から解放されていっている自分がいる。

生きること自体が日増しに軽やかに心地よくなっていく感覚。

人間も自然の一部だということが、染み渡ってくるように腑に落ちていく。

自然と自分が溶け合っていくような感覚。

こんな感覚を覚えるのは、今世初めてだ。

道(タオ)、AS ONE
本当に全ては一つなのかもしれない。

こんな事を学びながら暮らしていけるなんて最高です。

うちのお客さん、ありがとうございます。

うちの農産物を求めてくださってありがとうございます。

生き物たちもありがとう。

家族もサポートしてくれる人たちもありがとう。

こんな最高のフィールドを残してくれた日本のご先祖様たち、ありがとう。



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