横浜に、若葉町ウォーフに「エフラボ24」を観にいった

2024年2月25日。京浜東北線で横浜まで行った。若葉町ウォーフに「エフラボ24」を見に行くためだ。

前日に緊張して寝れなかった事もあり、結構ドキドキしていた。特にJRでは蒲田から川崎くらいまで一駅区間が長くなるのでパニックになりそうだった。深い呼吸をしたらおさまったので、やっぱり呼吸は大切だな、と思った。

横浜に行くのは久しぶり…というか、ほとんど初めてだったので案の定、道に迷った。頼りにしていたGoogle MAPも、iPhoneの電池が切れそうになったらお手上げだ。しかも、とても寒い冬の日(天気は雨)だったので、あわあわしてしまった。だけど、知らない町を歩けたのは楽しかった。よし。

横浜は、町が多かった。「なんとか町」みたいな地名が沢山あった。町にはギャラリーやスナック、会社や飲食店、マンションやスーパーが沢山あった。

若葉町ウォーフがある「黄金町」という駅は「黄金町バザール」という街ぐるみの企画をやっていて、高架下がほぼギャラリーになっていた。

「いいなー、この辺りに暮らしている人たちは、うらやましー」と思った。だけどもし、自分が横浜に住んだら、横浜から一生外に出ないかもしれないな。楽しそうだけど、ちょっとこわい。

そんなこんなで、若葉町ウォーフに到着して、会場で暖かいコーヒーを飲んだ。若葉町ウォーフはアゴラよりも、ちょっと小さい?くらいの劇場でした。

「エフラボ24」で観た作品の感想です。

1、望ノ社

影絵アニメの上演。(上映?)

望ノ月さんの作品は、影絵というもののギミック的な面白さ…もあるが、そういったギミックなしでも、フツーに面白い。それを影絵でやってるわけだから、ものすごい完成度だと思った。

自分には、その事をどう考えたらいいのかは、わからない。オールドタイプな人間なので「アニメはアニメである」「影絵は影絵である」という、半ばトートロジーに近いジャンル分けをしているからである。

望ノ社の影絵は、技術を技術として認識させないレベルの技術であるが故に「影絵だけどアニメ並みに面白い」という評価しか出来ない。本当なら「影絵だけどアニメ並の面白さを作るための技術」をアナライズすべきなのだが…。

しかし、「普通に観れる作品」に対しては、ついつい物語批評を行なってしまいそうになりますが、やはりこの作品は「影絵」というフォーマットで演じられている事が重要な気がするので、物語批評には踏み込むことはしないことにします。普通に面白かったです。

2、ゼロコ


パントマイムを初めて観た。
わらけた。パントマイムが手品や大道芸と違うのは観客の側が「タネも仕掛けもある」というのを知りながら観るという、ちょっとメタレベルのおかしさだと思った。ゼロコさんのパフォーマンスは、お客さんとの距離が近い中、パントマイムのキャラクターを演じとおしており、そこも素直にすごいな、と思えた。

3、黒沼千春

「書道を踊る」というパフォーマンスでした。
コンテンポラリーダンス+テクノ+書道。
いやでも「国際的であるとはどういう事か」と考えさせられる作品だと思う。自分の自意識せいかもしれないけど。「作品そのもの」よりも、そこにくっついているタグを観てしまう。

黒沼さんの、アニメ的な身体が、テクノに合わせて、踊りながら書道をしている時。自分は「攻殻機動隊」以降の失敗したジャパニメーションを連想していた。

日本人は、露骨にグローバルマーケットを意識してアニメを作っていた時期がある。それらはかつて「ジャパニメーション」と呼ばれていた。ジャパニメーションが内包しているオリエンタルな目線は、端的に言って間違えていた。スーパーアニメーターの無駄遣いに終わった。

黒沼さんのダンスも、オリエンタルな目線を意識したものだと思う。そこに謎の不安を感じていた。(余談だが、自分はオリエンタリズムとはドンキホーテで売られる抹茶味のキットカットだと思っている)

ただ、見ているうちに、そんな事どうでもよくなっていた。1時間に及ぶパフォーマンスは圧巻で、ダンスと書道を組み合わせるパフォーマンスは、ただ「カッコいい」と思った。音楽もよかったし、舞台装置もよかった…照明が特にかっこよかった…。クールジャパン的な作品を、素直に観れないのは自分の脳内にこびりついたアニメへの恥ずかしさが原因なのだと思いました。

4、TAP DO

タップダンス(+寸劇)のパフォーマンス。
「ザッツ・エンターテイメント!」って感じでした。(ドンキホーテの抹茶味のキットカットに近い)
フランキー堺、クレイジーキャッツ、ドリフターズ、といった占領軍ジャズの流れと、タップダンス+大道芸…、意外と見たことがないタイプのパフォーマンス??20世紀前半のアメリカの芸能ってこんな感じだったのかな、感。

超絶技巧を、しれっとエンタメ仕立てでやっていて、凄かったとしか言いようが無いのですが、距離!これもこちら側の問題なのですが、どうしても、あの近さで見ると「芸」ではなくて「人」を見てしまいました。
演者は、どう感じていたんでしょう…。むずかしい距離だったと思う。

あつかましくも、お邪魔して、レポートを書かせていただきました。帰り際に、スタッフの方から「ありがとうございました、皆さんによろしくお伝えください」と言われましたが、こちらこそありがとうございました。

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