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戦略と戦術の違い。許容できる失敗と許容できない失敗

「戦略(ストラテジー)」と「戦術(タクティクス)」という言葉を使って、仕事の性向を整理する話。

戦略とは上位の方針であり、戦術とは下位の方針である。例えば「北に行く」というものを戦略として据えた場合、戦術としては「飛行機で行く」「新幹線で行く」「自動車で行く」「歩いていく」などなどが考えられる。あとは、諸々の制約条件に従って、「時間を優先するなら飛行機」「お金を優先するなら徒歩(ホントか?)」といった戦術が選択される。

ここで悲惨なのは、戦略が間違っていた場合である。本当は北に行くべきなのに「南に行く」という戦略を設定した瞬間に、どのような戦術をとったとしても(飛行機でも、新幹線でも、自動車でも、徒歩でも)敗北が確定する。これが、いわゆる「戦略的失敗は戦術ではどうすることもできない」という状況である。『失敗の本質』などで語られることだが、第二次大戦下の旧日本軍はこれで失敗した。大本営の作戦(戦略)が根本的に誤っていたせいで、太平洋に展開していた各部隊は「戦術的に最善を尽くしたとしても」敗北が決まっていた。

さて、イケイケドンドンな人たちは、ともすれば「失敗の礼賛」をする。曰く「やってみなければ分からないじゃないか! 何度も失敗を繰り返して、ようやく成功につながるのだ!」

半分合っていて半分間違っているのだが、これを「戦略」と「戦術」の二分法を使って整理する。まず「戦略的失敗は許容できるのか?」という点。これは、基本的に許容できない。北に行くべきなのに、南に行ってしまうのではどうしようもない。ただし「資源に余裕があるとき」は許容しうる余地がある。南に行っている途中で「あれ、もしかして方向間違えてるんじゃね?」と気がつき、方向転換するとこも、やたらめったら時間があるときや、やたらめったらお金があるときには、何とかなる。

次に「戦術的失敗は許容できるのか?」という点。これは基本的に許容するしかない。イケイケドンドンな人たちと一緒に、失敗を礼賛しよう。新しいことを始めるときは、分からないことの方が多い。色々試して、上手くいく方法を見つけるしかない。

疲れたからここまで。

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