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蛙の子は蛙。蛙の親は蛙?

「子どもを成長させるのは簡単だ」なんて言うと怒られそうだが、大人を成長させるよりもずっと簡単なのは事実である。シニア世代へのリカレント教育なんてものを真面目に考えていると、その思いは一層である。

発展途上国の開発という文脈において「リープフロッグ(蛙跳び)現象」というものがある。これは「既存の社会インフラが整備されていない新興国において、新しいサービス等が先進国が歩んできた技術発展を飛び越えて一気に広まること」を意味する(by wikipedia)。既存のハード面の投資や、ソフト面の制度(法律など)が足を引っ張って、先進国(developed)ではイノベーションが社会に広まらない。例えば、日本におけるキャッシュレス決済の広がり具合を想起すればいい。

「学び」という文脈でも同じことが言える。子どもの頭はよく「スポンジ」に例えられるが、脳生理学的な意味のみならず、物事を素直に受け取るがために、どんどんと学んでいく。それに対して、大人には下手に成功体験があるため、物事を素直に受け取ることができず、学ぶことができない(そもそも「学びが必要である」という認識すらない)。これは偏見であるが、高齢者ほどその傾向が強い。

そのため、大人が「学ぶ」ときには、まずもって「学びほぐす(unlearn)」ことが必要となる。すでにある知識や経験を一度投げ捨てて、特に成功体験なんてものは焼却炉に放り込み、初心に蛙のである。ただ、大人にunlearnさせるのは非常に難しい。どうしたら大人(特に高齢者)にunlearnさせることができるのか。これを定式化することができれば、人生100年時代におけるビッグビジネスになると思うのだが、さっぱり思いつけないでいる。



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