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ようやく「自分なりのLightroomのカタログの管理法」を見つけた!話(カタログデータに苦しんでいる方々に)

写真業界の写真管理・編集のデファクトスタンダードといえばAdobeのLightroomとPhotoshopであることは、基本的に異論が無いと思います。事実、写真編集の大体はこの二本のソフトに、Googleが無料で提供しているNik Collectionsさえプラグインでぶち込んでおけば、平均的なことはまあ大体出来ます。しかも月額980円なので、負担が軽い。学生さんでも払えるレベルなのが素晴らしいわけです。

ところがですね、Photoshopは純粋にレタッチ&エディット機能に特化されてるのでわかりやすいんですが、Lightroomというソフトが結構ややこしい。まず大抵の人が導入時に躓くのが「カタログ」の存在です。カタログというのは、本当の画像データではなくて、その画像に対して行使した色々なメタデータをまとめて格納したファイルのことをいいます。現像のヒストリーなんかも全部ここにまとめて格納されています。画像の本データ(rawとかjpgとかtiffとか)とは別の階層に保存されているので、万一カタログデータが吹っ飛んでも本データはほぼ影響を受けないというのがウリなんですが、これ、別データだと知らずに画像だけを動かして、カタログデータと同期が取れなくなってピギャー、みたいな経験は初期にはよくやらかす失敗です。(写真データのフォルダの移動などは、Lightroom内で行うのが無難です)

それを乗り越えた後にも色々と問題は出てきます。全部のメタデータをこのカタログの中に取り込んでいくので、ファイルが肥大化しがちです。そして画像データと違って、カタログデータは基本的に全体がパソコン上でアクティブな状態になるファイルのようで、メタデータが溜まっていくと、あるタイミングで異様なほどにパソコンが重たくなってくる。こうなると、これまでのメタデータはそのままに、新しいカタログを新規に作って、一部の大事な設定や写真現像データなんかを、旧カタログから新しいカタログに引き継ぐ、みたいなことを繰り返さなきゃいけません。

そう、ある程度Lightroomに慣れてくると出て来る、「カタログデータどうすんねん問題2.0」というやつです。

これに対して、多分完全な回答というのはあまりないような気がします。リスク管理の観点から言えば、すべてのカタログデータを同一ファイル内でやりきってしまおうとすると、万一ふっとんだ時に死ねます(バックアップは適宜取ってくれているとはいえ)。またパフォーマンス的にもカタログデータは分散したほうが軽い。だけど、写真データというのは、「古い写真だから使わない」ということはあまりないわけです。特に仕事で写真となると、古い写真のリクエストなんかも頻繁に受けることになって、そのたびごとに「あの写真、どのカタログから参照するんだっけ・・・」となって、頭ばーーーん!となります。出来たら一つのカタログファイルで管理したい。タグとかコレクションでスマートに管理しまくりたい、そう思うわけです。「分散したほうが色々安全」 vs 「出来たら一つのファイルで管理したいものぐさ」とが対立しているわけです。

というわけで、カタログの管理に関しては、いろんな写真家がいろんなことを書いてくれていますが、実際のところ「これだ」という完璧な回答は無いように思ってました。ところが最近、なんとなく一ついい方法を見つけました。仕事上の管理の仕方として、「案件ごとに別のカタログファイルを作っちゃう」という、至極当たり前のやり方です。もしかしたら、というか多分高確率で同じことを書いている人がいると思うんですが、まだそのやり方に思い至ってない人のために書いております。こういうのは誰かの発明ってわけでもないでしょうから。

さて、具体的には僕はこんな感じでやってます。まずはその案件に必要な写真が集まったとします。それをクイックコレクションや、あるいは臨時に作ったコレクションなんかに一旦集めます。僕は「temporary」というコレクションを作って、そこに放り込みます。

この時点でこのコレクションの中にある写真全体に対して、案件名を「キーワード」内に書き込みます。

普通はこれで、大体「案件管理」としてはオッケーだと思うんです。Lightroomは写真管理はかなり優秀で、コレクションとキーワードタグの両方で一つの案件を参照できる。でもね、これ、どんどん混乱してくるんです。同じ写真が別の案件にまたがったりすることも頻繁に起こりますし、そのたびごとに少しずつ現像も変えるので、同じ写真の現像違いのコピーが山のように出来上がる。ときには他の案件の写真を直接現像しちゃって、前の段階に戻せなくなって、「あれ、あの写真、どんな感じだっけ?」とか混乱することもしばしば。っていうか、僕は常にこの混乱をこの2年ほど生きてました。最近では写真を案件に向けて「揃える」というのが、すごくしんどくなってきたほどです。

そういう混乱を避けるために、一旦「コレクション」と「キーワード」を設定した時点で、その写真を「別カタログ」として新規にカタログデータを作ってしまう方がシンプルになります。コレクション内にある全部の写真を選択した上で、上の選択メニューから「ファイル」→「カタログとして書き出し」を選びます。保存画面が出てくるので、適当なカタログ名(僕は案件名にしています)を付けます。そして今度は「ファイル」→「カタログを開く」で、今作ったカタログを選びます。

すると、新しい画面には、先程作ったコレクション内で選んだ写真のみが入っている、新しいカタログ画面に切り替わりました。これだと、めちゃくちゃスッキリします。

例えばこのカタログ内で加えたあらゆる変更は、あくまでもこのカタログ内だけに行使されるものなので、大本のカタログには影響を与えません。一つの案件で必要なファイルは、このカタログで保全されるので、後々何かのタイミングで見返すときも、極めて楽ですし、その後の変更が加わってないので、クライアントに渡す場合も同一性が保全されます。仕事的にとてもクリアになります。

ということで、現在こんな感じでLigthroomの運用をしています。大元のメインのカタログファイルは、通年性を高めて長めに作って(今は1年で作ってます)、そこから案件ごとにカタログを切り出して新しく作っていく感じです。これなら案件ごとに写真がかぶっても安心です。そのカタログでものを考えればいいわけですから。

というわけで、珍しく「ちょっと役に立つ話」を書いてみました。

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