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「絶対にサガン鳥栖に入る!」。常に底辺を経験してきた中央大・松本大輔の『観察力』と『学習能力』、『本気で夢を信じる力』。

2020年2月21日、中央大学サッカー部3年生CB松本大輔の2021年シーズンからのサガン鳥栖入り内定が発表された。

正直、彼は大学サッカーにおいてもメジャーな存在ではない。「多分、中学時代のチームメイトが一番驚いていると思います」と本人も認めるように、中学時代は一度もレギュラーになることができなかった。

中学時代はチームメイトの安部裕葵(FCバルセロナ)のプレーをベンチで観続けた。

一般推薦で入った帝京第三高では高2で選手権出場、高3ではキャプテンとしてプリンスリーグ関東に出場するが、チームは9位と低迷し1年で県リーグに降格。

インターハイは県予選準決勝で、選手権は県予選ベスト8で敗れ、「正直、キャプテンとして何もできなかった」と振り返るほど、結果を残せなかった。

中央大では「初めてサッカー推薦で入ったのに最初はボロボロだった」と一番下のBチームからのスタート。

2年生でA1チーム昇格を果たすが、試合出場機会はほとんどなし。3年生になった昨年もレギュラーではなく、4年生CB安部崇士(徳島ヴォルティス)と同級生のCB深澤大輝(2021年から東京ヴェルディ内定)のコンビの後塵を拝した。

はっきり行って、どの年代でも一番手はおろか、二番手いや三番手以降の序列にいた彼がプロ入りを掴み取ったのか。さらに松本にとってサガン鳥栖は決して大げさな表現ではなく、本当に「特別なチーム」だった。

今回、彼と2時間に渡るインタビューの中で、彼のこれまでの数奇な人生がサガン鳥栖と重なり合うまでのストーリーが明らかになった-。

松本大輔5

写真はSTFCジュニアユース時代、本田圭佑との集合写真。中列一番左が安部裕葵、その隣が松本大輔。

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