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競走馬のスタミナと人間の薄毛は父よりも母の父の影響大

春の天皇賞はスタミナがなければ勝つことができない。とはいえ、現代の日本競馬では3000m級の距離のレースは数限られており、また古馬のG1級のメンバーで争われるようなレベルの高い長距離レースはほとんどないため、各馬の絶対的なスタミナの有無を見極めるのは案外難しい。実際のレースや走りからは見極めにくいとなれば、私たちに残された手がかりは血統、具体的に言うと、その馬の母の父を見るべきである。なぜなら、スタミナは主に母の父から受け継がれるからである。

スタミナは母の父から伝わることに気づいたのは、私に起こったある2つの非連続な出来事による。ひとつは、2009年の天皇賞春において、アサクサキングス、スクリーンヒーロー、ジャガーメイルといった、母父にサンデーサイレンスの血を持つ人気馬たちが、淀の最後の直線でバタバタと倒れていったこと。勝った馬は父チーフベアハート×母父サッカーボーイという血統構成のマイネルキッツであった。私は2年連続でアサクサキングスに本命を打っていただけに、あまりの無様な負け方に少なからずショックを受けた。そして、サラブレッドの血による支配を感じざるを得なかった。

前述の母父にサンデーサイレンスを持つ馬たちは、馬体だけを見ると、胴部や手脚に伸びがあり、長距離レースを走られそうなスタミナを有しているように思える。だからこそ、人気になったとも言える。実はジャガーメイルは2010年の同レースを制したが、このレースは勝ち馬の上がりが33秒7という、スローペースにおける瞬発力勝負というスタミナを問われない珍しい天皇賞春であった。その翌年は、母父にサンデーサイレンスを持つトゥザグローリーとローズキングダムは1番人気、2番人気に推されながらも、道中で引っ掛かってしまい、直線ではスタミナ切れを起こし、11着、13着と共に大敗を喫した。

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