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NHKマイルCの鉄則は「NZTで負けた馬を狙え」

3歳馬のマイル戦におけるチャンピオンを決めるNHKマイルCと距離が同じであり、本番までの間隔も中3週と最適なニュージーランドT(以下、NZT)には、NHKマイルCを本気で狙う有力馬たちが集まり、互いに力を確かめ合う。しかし、これら2つのレースは条件が違う以上、そこでの着順や着差はあくまでも暫定的であるにもかかわらず、私たちはどうしてもその結果に目を奪われてしまう。

それで良かった時代もあった。1996年にNZTがNHKマイルCのトライアルに指定され、東京競馬場の1400mで行われていた4年間で、シーキングザパールとエルコンドルパサーの2頭がNZTとNHKマイルCを連勝した。本番まで距離が200m延びても全く関係なく、NZTの強さをNHKマイルCにコピーしたような走りを披露した。

しかし、2000年にNZTが中山競馬場に舞台を移してから、この流れはガラリと変わった。NZTの勝ち馬がNHKマイルCで勝てなくなったのだ。NZTでどれだけ強い勝ち方をしても、それがウソのようにNHKマイルCでは凡走してしまう。象徴的であったのは、前述のシーキングザパールの仔であるシーキングザダイヤが1分33秒5の時計でNZTを勝ち、母を超えることを期待されたにもかかわらず、本番のNHKマイルCでは7着に敗れたこと。この16年の間にNZTとNHKマイルCを連勝したのは、わずか2012年のカレンブラックヒルのみ。理由は単純明快で、中山競馬場の芝のマイル戦と東京競馬場のそれでは、コースの設定が全く異なるからである。

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