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マーティン・スコセッシ『アイリッシュマン』に漂うただならぬ哀愁。(パート1)

Netflixオリジナル映画『アイリッシュマン』を観ました。監督はマーティン・スコセッシ。映画監督であり、映画プロデューサー。現在、77歳。イタリア系アメリカ人。

『アイリッシュマン』はロバート・デ・ニーロ演じるフランクの生涯を描いた映画です。フランクは食肉を運ぶトラック運転手でしたが、家族を養うために始めた、肉の横流しをきっかけにして、裏社会に浸っていきます。

僕は平均的な日本人であるという自覚がありますが、大好きなコテンラジオのアメリカ編を聞いて、アメリカという国を平均的な日本人が理解することは相当むずい、ということを感じました。

アメリカって簡単に言うと、移民が集まって、合理主義の基にシステム化された国です。アメリカに集まった色んな人は、アメリカの地で幸せになるにはどうすればいいのかを、合理的に考え、実行できます。

しかし、その分、色んな思惑や弊害、そして、利権が絡み合っています。なので、成り上がっていくためには、コネクションと実力が必要です。

主人公のフランクのコネクションは、ラッセルというイタリア系マフィアの男との出会いによって生まれました。さらに、フランクには言われた仕事を的確にこなす実行力がありました。

主人公フランクは殺し屋として成り上がった

フランクはラッセルから指示された仕事を的確にこなしていきました。例えば、敵対する組織への嫌がらせ、暗殺、爆破などなどを確実に成功させ、フランクはラッセルの大きな信頼を勝ち取っていきました。

フランクはラッセルのおかげで色んな権力者と出会い、ラッセルだけでなく権力者からの依頼も確実にこなしていき、どんどんと出世しました。フランクはアメリカの地でコネクションと実力によって成り上がって行ったのです。

すべては家族を養っていくため

フランクには4人の娘がいましたが、裏社会の仕事について家族に隠していました。家族を養っていくためとはいえ、自分が行う裏社会の仕事が危ういことだと誰よりも自覚していたし、もちろん最悪な仕事であることを自覚していたからです。

しかし、娘たちは自分の父親が、何か悪いことをしていることを知っていましたし、彼が他の普通の父親と違うことに気づいていました。フランクは家族を養っていくために抱えた業によって、娘たちとの信頼を失っていきます。

ちょっと長くなってしまいましたので、続きは、次回の投稿で書かせていただきます。いつも読んでいただき、ありがとうございます。


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