沢渡鷹

香川県で高校英語教師をしています。8年目。興味のある分野は方法論とICT。 X(旧Tw…

沢渡鷹

香川県で高校英語教師をしています。8年目。興味のある分野は方法論とICT。 X(旧Twitter)を主な活動の場としていますが、まとまった内容がある場合はこちらで投稿します。

最近の記事

「自分の言葉>翻訳機」を体感させる授業びらき

新年度が始まり、授業びらきのシーズンとなりました。私も勤務している高校でいくつかの英語の授業で授業びらきを行ったのですが、今年ふと思いつきでやってみた活動・話が生徒からの反応が良く、とっっっても嬉しくなったので紹介したいと思います。 授業びらきのテーマは ①英語が苦手な生徒でも、自信を持って話せる雰囲気づくり ②AIや情報機器が発達した現代社会でも、自分の言葉で伝える意義、楽しさを体感してもらう の2点で、紙1枚とペンがあれば気軽に行うことができます。 ①英語を学ぶメリ

    • スピーキングにおけるscaffolding 基礎の基礎

      3学期はスピーキングを中心に授業を組み立てました。比較の単元において、「理由とともに自分の意見を述べる」ことを目標に、授業冒頭の10~15分にペアでのsmall talk(一問一答形式)を継続的に行いました。 私の勤務している高校では英語が苦手な生徒が非常に多く、粗っぽくペアで会話をしてみよう…と投げかけても黙り込む生徒がほとんどです。そのような中で生徒が楽しみながら英語で話せるよう、様々なscaffolding(足場がけ、支援)を行いました。これまで様々な書籍や実践で紹介

      • ChatGPTを活用した新出語彙の指導

         最近、自身の英語コミュニケーションにおける新出語彙の指導に以下の様な問題を感じ、改良の必要性を感じていました。 該当セクションを読むときにしか語彙の練習をしない→短期記憶止まり 定着のための音読に用いる自作英文を作る負担大(生徒からは記憶に残りやすいという声もあるが…)  そんな折、世間を騒がせているChat GPTと、とある書籍のからヒントをいただき、次回のレッスンから指導法を変えることにしました。指導方法と目的をまとめたので、改善点をぜひご教授いただきたいです。

        • 「振り返りシート」の在り方

           近年、授業において「振り返り」を行う場面が増えてきているように感じます。ふと気になって、Twitterでアンケートを取ってみると、1/3の先生が振り返りシートを活用していました。  指導の効果を高めたり、主体性の評価に活用したりするなど、様々な目的や効果が期待される一方で、「振り返りシートを書くことが目的化している」「時間の無駄」などの声もよく耳にします。   先日、同僚の先生との会話の中で「授業はプランニングの段階でほとんど終わっている。自分の発問で生徒がどう思考するか

        「自分の言葉>翻訳機」を体感させる授業びらき

          パフォーマンステストを通じて失ってしまったもの

          この記事で述べられている意見は一個人の考えと反省であり、所属する学校・科の総意ではありません。 徒然なるままに自分語りをさせていただきますが、同じような悩みを抱えている先生や、似たような境遇の先生にとって一助になれば幸いです。 ①今年度のパフォーマンステスト  新しい教育課程が始まり、私が勤務する高校でも英語コミュニケーションⅠにおいて以下のようなパフォーマンステストを実施済み、または実施する予定となっています。  テストの実施や、それに向けた指導は決して順風満帆ではあ

          パフォーマンステストを通じて失ってしまったもの

          非認知能力と”主体性”の評価の関わり

          6/14に香川県教育センターの研修を活用し、岡山大学教育推進機構の中山芳一先生の講演と、見通しや振り返りに関するワークショップに参加しました。新学習指導要領のもと、「主体的に学習に取り組む態度」(以下、”主体性”)の評価についてはその難しさや方法がよく話題になります。今回の講演を通して、なぜ”主体性”の評価が必要なのか、どのように評価すればいいのか、多くの知見を得ることができましたので、自分の実践にも落とし込んでまとめたいと思います。 ①非認知能力とは 読み書きそろばんや

          非認知能力と”主体性”の評価の関わり

          会話文をライティングに変換するリテリング活動(コミュニケーション英語Ⅲ )

          ※追記※ 使用したワークシートにおいてexperience to lose…と不定詞の形容詞的用法を用いていますがexperienceは同格表現はof ~ingを用いるため、後日訂正しました‥。 コミュニケーション英語Ⅲにおいて、インタビュー形式の教科書を説明文のライティングでRetellするという活動を行いました。今回の授業で私が意識したこと、学んだことは ◯音読・リテリング箇所を生徒の選択させる ◯話し言葉を書き言葉に変換する際に気をつけること ◯生徒が思考する余地を

          会話文をライティングに変換するリテリング活動(コミュニケーション英語Ⅲ )

          英語コミュニケーションⅠ  場面設定を意識したリテリングの指導(CROWNⅠ Lesson1)

          新学習指導要領のもと、英語コミュニケーションⅠが始まりはや1ヶ月。3観点の評価に伴いパフォーマンステストの重要性も高まり、これまで以上に授業の単元計画や指導と評価の一体化が大切になったとヒシヒシと感じています。ここでは自分の思考の整理も兼ねて、4、5月に行った音読テストに向けたリテリングの指導をまとめたいと思います。 使用教材: CROWN English communication Ⅰ (三省堂) 単元:Lesson 1 The Blue White Shirt ①指導

          英語コミュニケーションⅠ  場面設定を意識したリテリングの指導(CROWNⅠ Lesson1)