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安全基地をつくりたい

「安全基地」という言葉がある。大学時代、発達心理学を専攻していたので、これを知った。ネットで検索してみると、いろいろな定義が出てくる。が、あえて私自身の言葉で説明するなら、次のようになる。

ここがあるからこそ、荒波に揉まれるであろう社会に立ち向かうことができる、という場所。安心して戻ってくることができる絶対的に安全な場所。

「安全基地」とか「場所」と書くと、空間のようだ。けれど、安全基地は子どもにとっての保護者、多くは母親の存在であることが多い。子どもの頃に母親をはじめとする保護者との愛着を上手く形成できないと、大人になってからも人間関係に悩むことが多い。

私自身、安全基地とか愛着理論に強い関心があり、発達心理学を学んだのだが、学んだことを生かす職には就かなかった。そうして香川へ移住した今になって、安全基地に関して一つの思いが浮かぶようになった。

それは、「誰かにとっての安全基地になりたい」ということ。具体的には、安心感を与えられる人になりたい。誰かの話を聞いて、上手いアドバイスはできないけれど、その人に寄り添う言葉をかけたい。その言葉や、私自身の存在が忘れ去られたとしても、その人の心の深いところで、温かさが残ってくれたら、とそんなことを最近思う。移住前は考えもつかなかったことだ。きっと香川へ移住して、いろんな人の優しさに触れて、私自身が満たされたから、次はこの気持ちを誰かに、と思えたのだろう。

だから、私は香川で安全基地をつくりたい。私自身が誰かにとっての安全基地になりたい。この夢をどうやって叶えるか?ということを今は一生懸命考えている。

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