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映画「ショーシャンクの空に」感想

 午後、時間があったので「ショーシャンクの空に」を見た。
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 この映画を見るのは初めて。話の内容も主演俳優も知らないがタイトルはよく聞いたことがあった。

  • タイトル「ショーシャンクの空に」(The Shawshank Redemption)

  • 監督 フランク・ダラボン

  • 原作 スティーブン・キング「刑務所のリタ・ヘイワース」

  • 出演 ティム・ロビンス(アンディ)、モーガン・フリーマン(レッド)など

  • 公開 1994年(日本は1995年)

  • 長さ 142分


感想

 原作がスティーブン・キングなのはこのnoteを書くときに初めて知った。映画を見ている最中にグリーンマイルと同じ香りがしたと思っていたら、気のせいではなかった。142分もあったとは思えないほどあっさりと一気に見てしまった。映画のところどころに挿入されているモーガン・フリーマンの語りがとても安心した。

アンディとレッド

 物語はこの二人を中心に展開していく。主人公のアンディは無実の殺人の罪でショーシャンク刑務所に収監され、そこで服役していたレッドやその他の囚人と出会う。映画を見ていてこの二人の関係がいいなと思った。刑務所の中の生活は楽なものとは言えないし贅沢もできないけれど彼らなりの工夫をしたり信頼を築いて獄中の生活を過ごしている。レッドはよく裏ルートでタバコなどの細かいアイテムを仕入れては房の中の囚人に融通していた。一方、アンディは他の囚人からいじめられたり懲罰房に入れられたりしながらも元銀行員の経理能力を活かして、看守のファイナンシャルプランニングをしたり節税方法を教えたり事務書類の作成をしたりと、他の囚人がしないような少し変わった挙動をしていた。そんなアンディを始めこそ「看守におもねている」と思っていたレッドも、アンディの動きによって看守からビールを飲ませてもらったり刑務所内に図書室ができたりすることで、次第に彼を信頼し始める。才能と努力が備わったアンディと、そんな彼に変えられていくアンディや周りの囚人の様子が見ていて気持ちが良かった。最終的にはアンディの努力が彼の未来を変えた。彼は刑務所を長期に渡る忍耐と計画で見事に脱獄した。

シャバと獄中

 作中で仮釈放で刑務所の外に出ることができた囚人が2人いる。50年収監されていたブルックスと40年収監されていたレッドである。
 物語の中ではブルックスが先に釈放されて、外での生活を始めるのだが、外の世界に馴染むことができずに首を吊ってしまう。刑務所の中の世界と外の世界、どちらが良いかと聞かれれば外の方が良いに決まっているとついつい思ってしまうが、数十年過ごした環境からの変化に戸惑うブルックスの様子は心が痛んだ。刑務所の中では図書係という役割があり、アンディや世話をしていたカラスのジェイクがいた。他の囚人も何かしらの罪を犯して収監されたという共通の背景を背負っていた。一方、外の世界では長い間収監されていた孤独な老人だ。何かの罪を犯してまた獄中に戻りたいというような描写もあった。
 レッドも同様に仮釈放され、ブルックスと同じアパートが割り当てられ、同じスーパーマーケットのレジ打ちの補助と言う仕事が与えられた。ブルックスと同じ状況、心情であろうことが見ていて辛い。そんな中、レッドは先に脱獄していたアンディとの約束を思い出してメキシコに向かう。レッドにとってシャバはほとんど何もない孤独な場所ではあったが、アンディとの約束が唯一の希望として存在していた。「メキシコで俺の仕事を手伝ってくれ。」アンディのこの言葉が獄中でアンディに「希望など持つな」と諭したレッドにとってシャバでの唯一の希望になっていた。

我に省って

 私は小さいときに両親の都合で引越しやそれに伴う転校をすることが多かった。程度や状況は全く異なるのだが、この映画を見ていて幼少期に自分が感じた環境が変化した時の心情を思い出していた。自分以外全てが知り合いであることの孤独、自分を大きいものに見せなければと言う焦燥感、急な環境の変化に感じる理不尽などなど。それらを努力と忍耐で乗り越え、希望を捨てずに周りにも多大な影響を与えたアンディは本当にすごいと思う。一方で私はアンディに「希望など持つな」と諭したレッドの言葉は優しさに溢れていたと思う。色々なことに迷ったらまた見ようと思う映画だった。

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