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渋谷再開発、ハロウィーンは変わるか

ハロウィーンで盛り上がる渋谷。センター街近辺はおびただしい数の警察官、警察車両が配置されています。スクランブル交差点では信号が変わるたび、歩行者を誘導するための笛の音が鳴り響きます。

© super_murachan

28日の深夜に一部の暴徒化した人たちが軽トラックをひっくり返すなどの行為もあり、器物損壊で捜査中です。人ごみが苦手な私ですが、なぜか10月29日から3日連続で訪問しました。27、28日の土日でハロウィーン騒ぎは終わったと思ったからです。行ってみてびっくり。まだまだ盛り上がっています。そういえばハロウィーンの本番は31日でした。さすがに31日はセンター街には近づきませんでしたが。

■数年後に激変か

秋の風物詩となった渋谷ハロウィーン。こうした盛り上がりは数年後に激変するかもしれません。現在、渋谷では東急グループが駅周辺の再開発事業をすすめています。駅東側に2012年、劇場やオフィスが入る「渋谷ヒカリエ」が開業したのを手始めに大型プロジェクトが目白押しです。9月には東急東横線の旧渋谷駅ホーム・線路跡地を活用した大規模複合施設「渋谷ストリーム」が開業し、すでに多くの人でにぎわっています。渋谷駅周辺では高さ約230メートル・地上47階建の超高層ビル「渋谷スクランブルスクエア」(19年度に一部開業)や東急プラザ渋谷といった複数の再開発が進んでいます。

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再開発のテーマのひとつがオフィスビルの充実です。かつて渋谷はIT系のベンチャー企業が集積し「ビットバレー」と呼ばれていました。ところが2000年代に入り、ベンチャー企業の規模が大きくなると東京のほかのエリアに本社を移していきました。大きな理由は渋谷のオフィス床面積が狭かったことです。米グーグルは01年、東急の高層ビル「セルリアンタワー」に最初の日本法人を構えましたが、業務量や人員の増加で手狭になり2010年に六本木ヒルズに移転しました。

こうした出ていった企業を呼び戻し、さらに企業の拠点を取り込んでいくのが渋谷再開発の大きな狙いです。

■「派手」と「地味」が対峙する街


ハロウィーンヒエラルキーと一線を画すのが、センター街などと渋谷駅を挟んで反対側で27日開かれたイベント「地味ハロウィン」。パリピと対照的に仮装しているのかもわからないほど地味だが、どれも独創的。まさに誰もがオンリーワンだ。

記事によると今年はセンター街を中心にした「派手」「騒がしい」ハロウィーンと「地味」ハロウィーンが渋谷駅をはさんで対峙しているようです。

「渋谷ストリーム」には19年、米グーグル日本法人が入居、9年ぶりに渋谷に戻ってきます。渋谷は再びITの集積地として輝きそうです。森ビルの調査では18~22年の5年間で渋谷エリアのオフィスビル供給量は30万平方メートルにのぼります。東京ドーム6個分です。働く人も相当増えるでしょう。今後、渋谷が丸の内や大手町のような「ビジネスの街」に変貌を遂げれば、「地味」ハロウィーンが多数派となるかもしれません。

もちろん、犯罪や迷惑行為さえなければ、「派手」「騒がしい」も街の魅力のひとつです。「派手」と「地味」、ふたつのハロウィーンを楽しめる街になるかもしれませんね。

《追加》

3年前に取材した渋谷駅前の再開発現場、東急百貨店東横店の解体作業のルポです。これはかなりの難工事でした。早いもので3年。現地の風景も様変してしまいました。急激に変わっていく街の風景に改めて日本の建設技術のレベルの高さを感じます。



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