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デフレにもインフレにも強い「俺のフレンチ」

チャーリーさんの「丸わかり ビジネスモデル」。本日は「俺のフレンチ」を取り上げています。

ミシュランガイドの星付きレストラン出身シェフが腕をふるい、フォアグラなど高級食材を使った料理を食べても支払いは1人3000円台。本当にお得感がある店で私もたまに利用しています。

外食産業といえばコストをできるだけ削って利益を確保していくというのが常識でした。俺のフレンチはその常識を完全に覆しました。よく言われていることですが、やはり常識を疑えというのは本当のことなんだなと痛感します。実際にはスムーズに実行するのは難しく、絶対的なリーダーがいたからこそ、成立したのでしょう。

2013年に日経朝刊の一面企画「物価考」で坂本孝社長にインタビューしています。高級料理の価格破壊を仕掛けた坂本社長に今後の戦略などを聞きました。

https://www.nikkei.com/article/DGXNASM20200E_U3A700C1I00000/

抜粋です。

 「うちのビジネスモデルは店を常に満員にしながら客の回転率を高める一方で、一般的な外食が2~3割にとどめる原価率を4~6割程度まで引き上げて圧倒的なコストパフォーマンスを感じてもらうこと。お客さんに驚いてもらう、その反応を第一に考えてきた。料理人には材料費を『ジャブジャブ』使えと言っている」 ――デフレを象徴する価格破壊のようにもみえるが、市場がインフレに転換した場合、戦略も変わってくるのか。 「ビジネスモデル自体は、インフレにもデフレにも対応している。デフレであれば、安さを求める客により高品質なメニューを提供することで驚いてもらえる。インフレになっても他店との相対的な価格優位性は高まり、収益性もあがる。出店の余地も大きくなる」 「インフレになれば、人件費の分配率をより高められるのも大きい。飲食業は値下げ競争が続いているが、誰もその恩恵にあずかっていない。料理専門学校の卒業生で料理の世界に残るのはわずかに1割という。これは悲しいことだ。飲食業をより魅力あるものにしていく必要がある」

私も「物価考」取材班の一員でしたが、世の中がデフレ、インフレ、どちらの方向に進んでも対応できるという坂本社長の戦略はすごい、と思いました。

余談ですが、何年か前に新橋の「俺のイタリアン」に立ち寄ったときのことです。夕方午後6時とわりと早めにお店に行ったにも関わらず満員。店員さんに「こちらでお待ちください」といわれ、座って待ってました。スペースが空き、店内に案内されると立ち席でした。不思議な感覚になったのを覚えています。

https://www.nikkei.com/article/DGXKZO34671790Y8A820C1H46A00/

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