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自粛ムードの中、音楽イベントで広がるオンライン配信

コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、スポーツや音楽、ビジネスなどジャンルを問わずイベント自粛が相次いでいる。会場や飲食店など周辺経済への影響も無視できない。音楽関係者はライブ配信などに活路を見出している。感染者の拡大を防ぎながら経済を回していくという難しい課題にどう取り組んでいるのか。

イベント中止や延期が相次ぐ

2月以降、日本で感染者が増え始めた2月以降、企業が自主的にイベント開催を見合わせ始めた。テレビの報道もほぼコロナ一色となり、「自粛ドミノ」はあっという間に広がった。特に2月26日に政府が今後2週間の行事の中止や延期などを呼びかけたことで、自粛の流れは加速した。

「オンライン」に活路

エイベックスはYouTubeの公式チャンネル「エイベックス・チャンネル」で所属アーティストであるTRFや浜崎あゆみ、倖田來未といったアーティストたちのライブ映像を無料公開する。3月31日までの限定だが、ファンは大喜びしそうだ。

「ライブに行きたいが、感染リスクも怖い」というファンのためにライブをオンライン配信する動きも。Voicy日経チャンネル「ながら日経」の土曜パーソナリティ、DJ Nobbyさんは3月7日にオンラインで音楽フェスを企画した。「おうちで楽しむ音楽サーキット」とうたい、自宅にいながらパソコンやスマートホンでアーティストのライブを楽しめる。投げ銭や物販を通してアーティストを応援する。

イベントの売り上げが活動費や収入のほとんどを占めるライブアイドルはどうだろうか。ライブアイドルとは大きくても100人規模収容の会場で活動しているアーティストやグループのこと。東京都内では渋谷や新宿、池袋、秋葉原など各地で、平日でも10カ所以上でイベントが開かれている。
その名の通り、ライブこそが命だ。収入源は主に特典会や物販と呼ぶファンとアイドルの交流会の売り上げ。中でも主力は1枚500〜1500円のチェキ撮影だ。ライブ中止となると、こうした「日銭収入」が途絶えてしまう。

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昨年秋の消費増税でチェキフィルムの値段が上がったが、チェキ代を引き上げたグループはほとんどない。コスト上昇分を経営努力で乗り切ってきたグループにとって、今回の事態はさらに追い討ちをかけている格好だ。

消毒液設置・マスク着用義務付け

イベントを自粛するグループやアーティストもいるが、活動を継続するため感染防止対策を強化するグループも多い。会場内にアルコール消毒液を設置、積極的な使用を呼びかけたり、参加するファンにマスク着用を義務付けたりしている。交流会でも握手やハイタッチといった接触を減らすケースが目立つ。
大人数が狭いスペースに集まるのを避け、感染リスクを減らそうというグループもある。1回20分の公演を定員5人と分割して複数回開催するのだ。

そもそも、イベントが軒並み自粛を迫られるのは感染拡大を防ぐために止むを得ない判断なのか、過剰な対応なのか。堀江貴文氏は「対応が過剰ではないか」と自身のユーチューブでコメントしている。「健康な成人しか集まらないイベントを何も考えずに中止にするのはやめたほうがいい」と批判している。

コロナウイルスの騒動が早く収束し、アーティストとファンの笑顔で溢れる音楽イベントが当たり前に開かれる状況に早く戻って欲しいと願う。



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