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トナカイさんの詩集

トナカイさんの詩集「すべてのあなたの記憶」を購入した。



Twitterでトナカイさんを知り、その作品の優しさやトナカイさんの撮る写真に惹かれた。

トナカイさんの詩には日常的な優しさがあり、読んでいると画が浮かんだり、香りまで感じたりする。
世界に惹き込まれるし、自然とその中に入っていかれるぐらい身近に感じる。
不思議な感覚を味わえる世界観がある。

私は以前、詩を書いていたが、事故で頭を打ってから、なかなか詩を書けない日々がもう何年も続いている。あんなに毎日言葉が頭に降ってきていたのに、不思議な事に全く浮かばないのだ。
エッセイは書けるが(それもなかなか時間がかかるのだが)詩を書こうとしても言葉が出てこないようになってしまった。

それからは詩を書く人にどこか軽く嫉妬をしていて、人の詩を読む事に素直になれなかった。
やっと読めるようになっても、素敵な詩を書ける人を羨ましいという気持ちが心のどこかに微かなのだが、いつもあった。

そんな中でトナカイさんの詩は私の身体にすぅ〜と入ってきたのだ。
なぜだかわからない。
あまりにも自然に入ってきた。
嫉妬や羨む気持ちも全くなく、いつの間にか隣に座ってくれていたように。


詩集を購入した後に、家で少し眠れない日があった。
布団に入っていても、なかなか眠れない。
家族は皆、気持ち良さそうに寝ているのだが、私だけが眠れず右に左に寝返りをうって、頭の中では色々な考えがぐるぐると回っていた。

夜中の3時半ぐらいに、少し飲み物でも飲もうと布団から出て、コップに麦茶を入れて電気が1つだけついているダイニングでゆっくりと飲んでいた。
このまま眠れないのかと少し焦る頭の中。
そんな時にテーブルの上のトナカイさんの詩集が目に入り、気持ちの中では読んだら余計にな眠れなくなるかな?と思いながら、ページをパラパラとめくってみた。

その中の金木犀の詩が目に入った。
読んでいると季節外れの金木犀の香りが私を包み込み、とても安らいだ気持ちにさせてくれた。
ホッとしたのだ。
この世界観、私の心の中はこれを求めていたのだと、その時に感じた。
ゆったりと温かいお湯に入るような感覚と安心感。
涙が出るような優しさに包まれた。
そのまま布団に戻るとすんなりと眠りにつく事ができた。


先日、人間としてとても大切に思っている人が会いに来てくれた。
いつもは遠くに住んでいて年に2回ぐらいしか会えない人なのだが、こちらへ遊びに来てくれたのだ。
来てくれた記念を渡したくて、何を渡そうか考えたときにトナカイさんの詩集が頭に浮かんだ。

海が見える公園で、その人にプレゼントした。
とても喜んでくれて嬉しかったし、私が感じた感覚を少しでも感じてもらえたらと思った。

トナカイさんの詩集を購入した時に、Twitterでトナカイさんへ購入させていただいた事をコメントさせてもらった。
すると「詩集は小さいので色んなところへ連れて行って、世界を教えてあげてください」とお返事をいただいた。

それをその人に話すと「お返事のコメントも素敵な人だね」と言ってもらえた。



さて、どこへ連れ出そう。
詩集は文庫本サイズなのでカバンに入るし、元々いつも文庫本を持ち歩いているので、カバンの中には文庫本用のポーチもあるからそこに入れてみた。
私の行動範囲は狭いが、一緒に行かれるとこには連れていきたい。

そして眠れぬ夜のお供にも。

素敵な本に出逢えました。
私の中の大切な1冊です。


トナカイさん
Twitter @tonakai
https://twitter.com/tonakai?s=09


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