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エイプリルフール

両親の結婚記念日はエイプリルフール。
なぜこの日に結婚したの?と聞くと、大安だったしお休みだったし…それに、ここから始まるのも面白いじゃない?と母は笑っていた。

父が母にプロポーズした時に、母の父である祖父は結婚を許さなかった。

蝶よ花よとお嬢様として育った母に、地方の田舎から上京して、祖父の同業者のお店の下働きをしていた父に任せて苦労させたくないという思いがあったのと、母は一人っ子だったので見合いをさせて婿養子を良い家から取りたいという思いがあったそう。

しかし2人の結婚への思いは強く、祖父はそれなら3年見ててやる!と条件をだしたのだ。

父は、それから仕事を一生懸命覚え、頑張り、めきめきと頼もしくなった。
母の料理教室の帰りの短い時間だけ、銀座の時計台の前で待ち合わせて短いデート、母は門限があったので必ず30分前には送り届け、礼儀正しく母や祖父母に接し、それを3年間続けた。
さすがにこれでは祖父も反対出来る理由が見つからず、二人の結婚を認めたのだ。

そして4月1日に結婚式をあげた。
だからこの日は2人にとって大切な日。
嘘をついていい日に結婚しても嘘をつかないで仲良く暮らすと決めた日という。

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