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短編小説

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ごく短い断章のような短編小説、掌編を収納していきます。おそらく基本テイストはやや暗め。心に刻まれる傷痕のような何かの予定。
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記事一覧

【夢】 電車で怪異が起こる話

夢の話だ。 電車事故があったようだった。 電車が遅れたからだ。 が、実はそれは事件だった…

高梨 蓮
1年前
7

【夢】 破られても話し続けるCDの話

夢の中の話だ。 夢の中で、両親は、実在の私の両親ではなく、見知らぬ男女だった。 男性は、…

高梨 蓮
1年前
8

【夢】 神の話:イタダキサマ

夢を見た。 忘れる前に書き留めておこうと思う。 既に大半は忘れた。 神がいた。 神の姿は、…

高梨 蓮
2年前
15

散文:緑の葉の萌え出るが如く

その緑の葉が段々と色を濃くし、大きさを変えるのを俺は見てきた。生い茂る原生林、気分だけは…

高梨 蓮
2年前
16

【掌編】 睫毛の先の尾根

脚が重かった。久しく忘れていた山の気配に俺は目を細める水が満ちている山の上の方からしたた…

高梨 蓮
3年前
9

【掌編】 今日、女に振られた。

 今日、女に振られた。  嫁にもらうつもりだった。  男はすっかりその気になっていた、ほ…

高梨 蓮
3年前
8

【掌編】 低い山の話

俺ははるか果ての光を見ていた。北極星を目指せば北が分かるとは誰かが言った台詞だ確かに北は分かるだが足元は見えない月がない星だけの夜に足元が見えない俺は動けない迂闊に動けば崖に落ちるそれが分かっていたから動けなかったはるか下の方で動く灯りが見えるあれは俺を捜しているのだろうか夜の闇の中で懐中電灯の光がこの上まで届くことが不思議だった。 何故こんな事になったのか考えても考えても分からなかった。 何人かとごくありふれた小さな山のハイキングに来た、先を歩いていたらはぐれた。考えて

【掌編】 淫売のマリア

 マリアは煙草を吸っている。  俺は煙草が嫌いだ、昔吸っていたこともあるが気分が悪くなる…

高梨 蓮
3年前
8

【掌編】 少女と薄汚れた男の一晩の出来事

2004/08/22(日) 執筆 少女1 電話ひとつで お金が手にはいるなら何が悪いというの 買うのは…

高梨 蓮
3年前
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【掌編】 メメント・モリ 刹那の記憶

 その男は、よく仕事の予定を忘れて課長に大目玉を食らっている。  いくら怒鳴られても翌日…

高梨 蓮
3年前
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