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JALとANAの決算から見るインバウンドの見通し

昨日10月31日にJAL(日本航空)とANA(全日空)の決算発表がありました。
決算資料から航空大手2社の状況とインバウンドの今後の見通しを見て行きます。

売上水準:JALは2019年越え、ANAはほぼ2019年レベル回復

売上水準ではJAL、ANAともに2019年レベルに到達しJALに関しては上回る結果になりました。
収益水準で言えば、完全にコロナ禍を脱したと言えます

JALは2019年同期比で+9.6%と完全なコロナ超え
ANAはコロナ前同期比98%と同レベルに回復

国際線の回復の遅れがマイナス要因

一方、旅客数で見ると若干違った景色になります。
両社ともに国内線はほぼ2019年比まで到達していますが国際線は2019年比70%を下回っておりまだ旅客水準としてはコロナ前の水準に到達していません。

ここから読み取れるのは
・売上はコロナ前に回復
・旅客数はコロナ前を下回る水準
つまり、特に国際線の単価アップ効果によって売上水準が回復していると言えます

国際線は米国路線が牽引、中国、ハワイ・グアムが半数割れ

路線別で見ると、米大陸線は不調ななかでも2019年レベルに到達しています。

順調な国内路線でもビジネス需要の戻りがやや遅い

課題感については両社共通しています。
・国内のビジネス需要
・国際線需要、特に中国線

イン・アウトバウンド、値上げ、人材が今後の鍵

ANAの方にわかりやすいまとめてありますが、単価で業績を上げている状況なので需要面に関しては
・遅れている訪日インバウンドの取り込み
・円安の影響等で出遅れているアウトバウンドの需要喚起
が数を上げて行く上では重要になりそうです。
また数を上げて行く上で十分な人材の確保が鍵となるためおそらく給料も含めた待遇の改善、そのために必要な財源としての値上げ等をバランスをとりながら推進していくようです。

今後のインバウンドについて

現状の路線別旅客数でわかる通り、引き続き国際線においては北米大陸路線が牽引して増えていきそうです。
次に中国路線についても中国国内の航空会社も好業績を発表しているので個人を中心に徐々に戻ってくるはずです。
最後に欧州路線についてはロシア・ウクライナの情勢によってロシア上空を飛行できない状態が続く限りは需要の戻りは期待しずらいと思います。ただ欧州での日本人気も引き続き非常に高いのでこの問題が解決した場合、インバウンド・アウトバウンドともにかなり需要増を期待できるはずです。

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