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ロックの女王でミニスカートの女王だったティナ・ターナーさん死去

年々、大物アーティストの訃報が増えていると感じるのは単に自分が知っているアーティストが亡くなる年齢に達しただけのことだと思う。

つまり、そういう声がネットで多いということは自分と同世代か、自分よりちょっと上もしくはちょっと下くらいの人たちがネット界隈のコア層ということなんだと思う。

2000年代以降の全米シングル・チャートを見るとベテラン・アーティストが上位に来ることはほとんどなくなってしまったが、90年代まではベテランが何かのきっかけで久々のヒット曲を放つこともあったし、シェールやサンタナのようにキャリア最大のヒット曲が90年代末に生まれたアーティストだっていた。

だから、60年代から80年代前半までにデビューしたアーティストのファン層って結構幅広いと思う。

本稿で取り上げるティナ・ターナーさんもそうしたファン層の幅広いアーティストの1人だった。

①アイク&ティナ・ターナーとして活躍した60年代から70年代前半

②ソロ活動を開始し、ロック・オペラ「トミー」で注目された70年代中盤

③不遇な時代を乗り越え“愛の魔力”などのヒット曲や映画「マッドマックス/サンダードーム」への出演で人気を集め、グラミー賞ロック部門受賞の常連となった80年代

④伝記映画「TINA ティナ」やU2のボノ&ジ・エッジと組んだ「007/ゴールデンアイ」の主題歌で注目された90年代

おそらく、興味を持っている人は上記のいずれかの時期に彼女の音楽に触れたのではないだろうか。自分は③だ。

本格的に洋楽を追うようになったのは85年なので、“愛の魔力”は後追いだ。
だから、自分にとってのティナ・ターナーは出演映画「サンダードーム」であり、主題歌“孤独のヒーロー”である。

「マッドマックス」シリーズで「サンダードーム」を酷評すれば通ぶれると思っている人が多いけれど個人的には一番面白い作品だと思う。

ネット民に好まれ、アカデミー作品賞にもノミネートされた「怒りのデス・ロード」の世界観だって「サンダードーム」がベースにあるしね。

それから、2パック“カリフォルニア・ラヴ”やAC/DC“サンダーストラック”といった楽曲のMVにも影響を与えている。というか、“サンダーストラック”はおそらく、“サンダー”つながりでああいうMVになったんだろうね。

みんな、素直に「サンダードーム」が好きって言おうよ!

そういえば、「サンダードーム」公開時、歌舞伎町なんて行ったことなかったから、新宿駅から上映館のミラノ座に行くまで迷いに迷って、1時間もかかったんだよね…。

あと、80年代、ティナのことをミニスカートの女王的に呼ぶ人がいたけれど、同じ頃、エイス・ワンダーのパッツィ・ケンジットもミニスカートのイメージだったから、ミニスカートのシンガーが好きと言った人の指しているアーティストがどちらか分からないこともあったんだよね。アーティスト名をあやふやに認識していた同級生が“ミニスカートのアーティスト”みたいに言った時に、“ティナ・ターナーが好きなの?”って返したら、彼は微妙な表情をしていたから、多分、彼はパッツィの方が好きだったんだと思う。

伝記映画「TINA」に関しては、主題歌“アイ・ドント・ワナ・ファイト”は名曲だけれど、おそらく日本人のほとんどがそうだと思うが、作中に出てきた創価学会を信仰するシーンしか記憶に残らないんだよね。そして、信者じゃない人にとって創価学会のイメージは悪いから、映画自体も好きになれないってところかな。

というわけで自分のティナ曲ベストはこんな感じだ。

①孤独のヒーロー
②アイ・ドント・ワナ・ファイト
③愛の魔力
④ザ・ベスト
⑤ティピカル・メイル
or
ホワット・ユー・ゲット・イズ・ホワット・ユー・シー

やっぱり世代的に80年代から90年代前半の全米ヒット曲を連発していた頃が好きかな。先述した①や②の時期にファンになった人だと違う選曲になるとは思うが。

ちなみにロックの女王と呼ばれているけれどR&B、ポップの分野でもグラミー賞にノミネートされているんだよね。この世代のアーティストの音楽性って幅広いよね。


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