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第63回『輝く!日本レコード大賞』各賞(ノミネート)発表

レコード大賞の候補である優秀作品賞受賞曲、かつてないほどのショボいラインナップだな…。

ちょっと脱線するけれど、いい加減、候補者・候補作品をノミネートと呼ばず「優秀作品賞」受賞者・受賞曲って呼ぶのダサいからやめようよ!

レコ大に限らず、日本アカデミーでもそういう言い方しているけれど、コレって、芸能事務所やレコード会社、映画会社、アーティスト、俳優から、“キャリアが浅いアイツを受賞させて、ベテランの私はノミネートどまりなのは何故なんだ?”とか文句を言うヤツがいるから、候補者全員をいったん受賞者にしてしまえば文句を言ってこないし、とりあえず受賞者にすれば授賞式当日に会場に来てくれる=視聴率稼ぎにつながるという安易な発想でしょ。

そんなので厳正な審査なんてできるわけないよね。

そして、ふと気付いたことがある。

この候補者全員が受賞者という、いかにも日本クオリティのクソみたいシステムって、よく考えたらゆとり教育時代に権力を持っていた日教組のやっていた“全員一等賞、全員主役”っていうアホみたいな教育の仕方と同じだな。

ゆとり教育時代に学校教育を受けた世代には政治家(というか政府)に対してどころか、芸能人やスポーツ選手に対しても批判してはいけないというアホな考えの者が多く、そのせいで、至極真っ当で健全な批判も老害扱いされるようになり、結果として日本は世界から取り残された発展しない国になってしまっている。

こうした世代は何故か、自民党支持が多いけれど、政府を批判してはいけないなんて考えは、この人たちが大嫌いな中国政府がやっていることと同じなのに、その矛盾に気付いていないんだから笑ってしまう…。

そんなゆとり思想が蔓延する前からレコ大はそうした“全然一等賞、全員主役”システムを導入していたんだから、そりゃ、日本の芸能界が海外から遅れに遅れた前近代的なものになっているのは当然だよねってところかな。

というわけで、今回のレコ大候補の優秀作品賞受賞10作品を振り返ってみたいと思う。

AKB48「根も葉もRumor」
Awesome City Club「勿忘」
純烈「君がそばにいるから」
Da-iCE「CITRUS」
DA PUMP「Dream on the street」
NiziU「Take a picture」
乃木坂46「ごめんねFingers crossed」
氷川きよし「Happy!」
三浦大知「Backwards」
LiSA「明け星」

マジでクソなラインナップだな…。

まぁ、氷川きよしは仕方ないにしても、ここ最近、毎年、10枠に入っている純烈、三浦大知、DA PUMPなんてあたりは今回の対象曲をほとんどの人が知らないでしょ?レコード会社とか芸能事務所との力関係で選ばれているとしか思えないよね。
Da-iCEはまぁ、ヒットしている感はあるけれど、これだって、エイベックス案件でしょ?

LiSAはリリースされたばかりの曲なのに入っているのは何故って感じかな…。

まぁ、CDは今週出たばかりだけれど、配信は10月から始まっていたから、10月リリース曲という扱いであれば、去年のレコ大受賞曲“炎”と同じ条件ではあるんだけれどね…。
でも、“炎”は「劇場版 鬼滅の刃」の記録的な大ヒットのおかげで11月の時点で既に2020年を代表する1曲になっていたけれど、現時点では今年の候補曲“明け星”って、そんなに一般に広がっていないよね。正直言って、LiSA人気も鬼滅ブームもオワコンとは言わないが、沈静化した気がする。
とりあえず、去年の受賞者だし、鬼滅曲だから今年も入れておいたって感じだよね。

NiziUは確かに候補曲“Take a picture”が春にリリースされた時点では人気があったけれど、夏に配信シングルを出した辺りから一気に失速していったからね…。

同様にオワコン臭が強いのが、Awesome City Club。

ぶっちゃけ、この10曲の中だったら、この“勿忘”が一番ヒット感のある楽曲だとは思う。というか、この曲しかヒット曲という感じはしない。あとの9曲は固定ファンが知っているだけの曲か、レコード会社や芸能事務所との力関係で選ばれているだけの曲だ。
でも、彼等はこの曲以降、何曲も新曲をリリースしているんだけれど、いずれもパッとせず、いまたに“勿忘”がヒットしている状況なんだよね。

ストリーミング時代になって、特定のアーティスト、特定の楽曲に集中して支持が集まる傾向は強まってはいるけれど、それでも、もう少し、“勿忘”以降の楽曲が注目されてもいいんじゃないかなって気はするよね。
そして、“勿忘”の大ヒットによって、彼等が地上波志向をあからさまに出してきたせいもあるのか、これまで、彼等をプッシュしてきたスペースシャワーTVとかJ-WAVEみたいなメディアが、彼等とちょっと距離を置きだしたようにも見えるんだよね。
結局、一般からは一発屋扱いされ、それまで支持していたメディアやコアなファンからはセルアウトしたと思われてしまい、全員、得していないと思うんだよね。ましてや、メンバーの不倫騒動もあったから印象は良くないしね…。

別に賞レースの候補者というのは、その年にリリースした楽曲全てがヒットしていなくてはいけないなんて決まりはなく、一発屋だって、その年を代表するヒット曲や名曲を出していれば候補者・受賞者になる資格はあるのは言うまでもないんだけれどね。

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一方、AKB48“根も葉もRumor”は久しぶりに秋元系アイドルのオタク以外にも多少は存在を知られた楽曲になったとは思う。

でも、6年前にリリースされた“365日の紙飛行機”に次ぐドルオタ以外も知っているAKBの6曲目の代表曲になったかというと、そこまでは行っていないと思うんだよね。
ちなみに、“365”以前の代表曲は“会いたかった”、“ヘビーローテーション”、“フライングゲット(これはキンタロー。のおかげで代表曲になれた)”、“恋するフォーチュンクッキー”だ。

“365”はカップリング曲扱いでありながら大ヒットして、レコ大優秀作品賞にも選ばれ、代表曲にもなったが、そういうケースを見ると、本当、秋元系アイドルって、CDシングル表題曲の選び方を間違えているケースが多いよねってのは感じるかな。

そして、今回の“根も葉も”だが、確かに一般にも多少は知られるようにはなったけれど、CD売上自体は大幅に下げているわけだから、やっぱり、落ち目感は払拭されていないんだよね。

これまでは握手会など接触系イベントの参加券や、総選挙、リクアワ(楽曲人気投票。実際は楽曲ではなく歌唱メンバーの人気投票になっている)などの投票券を封入することでファンに複数枚買わせて、似非ミリオンセールスを達成していたわけだけれど、NGT48の騒動以降は総選挙が開催されなくなったし、コロナ禍に入ってからは握手会もできなくなったから、大幅に売上が落ちるのは当然といえば当然なんだけれどね。

それから、選抜メンバーの構成の変化というのも売上減少の要因である。
コロナ禍に入りつつあった時期にギリギリでリリースされた前作“失礼、ありがとう”までは、AKBの姉妹グループのメンバーもAKB名義のCDに選抜されていたけれど、コロナ禍に入り、本拠地が異なるメンバー同士が頻繁に接触するのはよろしくないし、しかも、各姉妹グループの運営がそれぞれ別会社になってしまったから、自社の利益を考えると、姉妹グループとしてはAKBに協力するメリットも減ってしまった。
だから、本作はAKBメンバーだけでの選抜になっている。今までは握手会や総選挙、リクアワなどに他の姉妹グループを動員させることでCDを100万枚以上売っていたわけだが、それがなくなれば他の姉妹グループの単独名義のCDくらいの売上になるのは当然だしね。

それでも、約37万枚の売上をあげられたのは、まもなくSTU48との兼任が解除される岡田奈々と、解散したK-POPグループIZ*ONEのメンバーだった本田仁美のAKB復帰という面があるとは思う。STUやIZ*ONEというブーストがなくなる次作はさらに売上が落ちるのではないだろうか?

地下アイドルレベルのファンの数だったらまだしも、AKBクラスだとどうしてもかつての規模のような握手会なんて半永久的に開催するのは無理だからね。

しかも、同じ秋元系の坂道シリーズや秋元系から暖簾わけしたような指原莉乃プロデュースのイコノイは若いファンが多いから、ミーグリなどオンラインイベントでも握手会の代替になっているけれど、AKBは中高年のオッさんのファンが多く、そうした連中は若い女子との接触が目当てだから、オンラインイベント参加券の封入程度ではCDの売上増にはつながらないしね。

というか、今回の“根も葉も”は難易度の高いダンスパフォーマンスとやらを売りにしているが、プロならあの程度は出来て当たり前で、それで“すごい!”って自画自賛していてはダメでしょ!

紅白歌合戦に今年も出られないことになったが、それに関しては当然という感想しか持てない。ダンスがすごいとメンバーやファンが絶賛しているけれど、洋楽やK-POPのファンからすれば、どこが?ってレベルだし、しかも、あの程度のダンスをワンハーフで踊っただけで息を切らしているんだからね。そんなのプロ失格でしょ!

なので、NiziUやAwesome同様、オワコン臭が漂うAKBにレコ大ってのもなんだかなって気がする。となると、消去法でいくと納得のいくレコ大受賞曲って、乃木坂“ごめんねFingers crossed”になってしまうんだよね…。

サウンド的にはYOASOBI、MV的には「ワイルド・スピード」シリーズのパクリみたいな作品が大賞で良いのだろうか…。
まぁ、同じ乃木坂の今年リリースした曲でも、老害どもがパワハラを主張するのは甘えだみたいに言っているような内容の“僕は僕を好きになる”や、何かにつけて野党は批判ばかりと主張するネトウヨみたいな思想全開の“君に叱られた”が候補になるよりかは何百倍もマシだけれどね…。

そもそも、今年のヒット曲って考えたら、名曲かどうかの議論はさておき、YOASOBIとかAdoを選ぶべきなんじゃないのかな?何故、優秀作品賞ではなく、AdoやYOASOBIは特別賞扱いなんだ?

ボカロ系などMVで顔出ししないアーティストはレコ大としてはアーティストとしては扱わず、企画ものとみなしているってことなのか?

新人賞についてもふれておこう。

INI
TAEKO
マカロニえんぴつ
望月琉叶

INIやマカロニえんぴつは一応、人気グループだとは思うが、ぶっちゃけ、世間一般的な知名度は高くはないよね…。

売上では圧倒的なジャニーズがこうしたレースには参戦しないから、どうしても新人賞レースは微妙になりがちなところへきて、今年はハロプロの新人もいないから、こうした地味なラインナップになってしまうんだよね…。

秋元系の櫻坂46は改名して再デビューということで対象にならないのだろうし、WACKのASPは前年度の豆柴の大群ほど一般知名度はない。

≠ME(ノイミー)はおそらく、2019年にリリースした配信シングル“≠ME”でデビューという扱いになっている上に、その年の秋にリリースされた“君の音だったんだ”は=LOVE(イコラブ)の“ズルいよ ズルいね”のカップリングという形でCD化もされている。
ノイミー単独名義でのCDリリースは今年春のミニアルバム『超特急 ≠ME行き』が初めて。CDシングルとしては夏リリースの“君はこの夏、恋をする”が初めてだ。彼女たちはそのミニアルバムをリリースした時期を“メジャーデビュー”と呼んでいるが、それ以前の配信シングルやイコラブのカップリングで発表された楽曲はイコラブが所属するソニーのレーベル、SACRA MUSICからリリースされていたわけだから、既にメジャーデビューは済んでいるわけだし、まぁ、新人賞の候補にならなかったのは仕方ないよねという気もする。

個人的にはこの新人賞受賞=最優秀新人賞候補の4組の中で最も注目しているのは望月琉叶(るかち)だ。

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でも、疑問がわいてくる…。

改名の櫻坂や自称メジャーデビューのノイミーが審査対象外なら、ソロデビューの彼女も対象外なのでは?
彼女は2018年に演歌歌手ルピナス組に加入している(2019年に民族ハッピー組に改名)。そして、彼女が演歌歌手としてソロデビューしたのは2020年夏のことだ。
ソロデビューも再デビューと捉えれば、そもそも審査対象から外されてもおかしくないはずだし、ソロ演歌歌手としてデビューした時期だって2020年夏なんだから、本来なら去年のレコ大の対象のはずだ。

さらに、るかち加入前ではあるが、演歌歌手ルピナス組はメジャーレーベルからCDを出している。その後、民族ハッピー組になって、インディーズからCDをリリースするようになったが、今年、再び、民族ハッピー組としてもメジャーからリリースするようになった。
まぁ、るかち加入後では今年リリースされた“試験管ライフケミストリー”がグループとしては初のメジャー作品ではあるが、グループ自体は一度改名前にメジャーからCDを出しているわけだから審査対象ではないはずだしね…。

もっとも、デビューは2015年、メジャーデビューは2016年のBiSHが2018年の新人賞に入ったりしているし、AKB48のメンバーでもある岡田奈々が中心メンバーとして活躍している(まもなく過去形になる)STU48も同じく2018年の新人賞に入っている。

つまり、業界の大物が“○○を入れろ!”と言えば、規定から外れていても関係なく入ってしまうってことなんだろうね。
まぁ、このように対象期間や対象資格から外れているはずのアーティストや楽曲が候補にあがるという不透明な審査は、音楽業界における世界最高の権威とされるグラミー賞でもしょっちゅう起きているけれどね。

ホイットニー・ヒューストンは正式なデビュー曲の前に、テディ・ペンダーグラスとのデュエット曲がヒットしていたから新人賞にはノミネートされなかったのに、正式デビュー前にディズニー映画「ムーラン」の主題歌を担当し、総合チャートではないもののヒットチャートにもランクインしていたクリスティーナ・アギレラは新人賞を受賞している。
さらに、フージーズのメンバーとして大成功を収めていたのに、ローリン・ヒルはソロで新人賞を受賞している。

映画賞だと原則、対象期間内に公開された作品のみが対象だけれど、音楽賞って、表面上は対象期間にリリースされた作品と言っておきながら、実際は対象期間に印象に残った作品を選んでいるケースが多いからね。
ましてや、ストリーミング時代になって、ヒットのピークはリリース直後ではなくなってしまったから、尚更、この曲、このアーティストは本年度の対象なのかって思うことも増えているしね。

話は戻るが、最近、民族ハッピー組って来ているような気がするな。
レコ大新人賞に選ばれたり(=最優秀新人賞候補)、グラビアと演歌の二刀流(正確にはアイドルもやっているから三刀流だよね)というキャッチフレーズで注目されたり、配信シングル“チョメリズム”のMVの動画再生回数が順調だったりと、るかちのソロ活動にばかり目が行きがちだけれど、民族ハッピー組自体への注目も増しているしね。

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サイゾーのSEX特集号にグループとしてグラビアに登場するのはなかなかチャレンジングだし、深夜番組「全力坂」にはるかちのみならず、馬渕恭子(私の2推し)も出演した。さらに今週から4週にわたって、CXの深夜の音楽番組「Tune」にも出演する。

マジで来ていると思う。

フィル・コリンズのソロや、マイク・ラザフォードの別プロジェクト、マイク&ザ・メカニックスがヒット曲を連発するのに連動する形でジェネシスもヒットチャート上位の常連となったが、それと同じように、るかちに対する注目が良い感じで民族ハッピー組に跳ね返っているって感じかな。

ただ、民族ハッピー組って、定期公演的なライブでの物販やファン参加イベント、公式サイトでの通販などの集金活動に熱心だから、あまり、アイドルフェスとかに出ないんだよね。固定ファン以外にも知られる機会が増えるといいなとは思うが…。

ところで、るかちがレコ大授賞式で歌うのって、やっぱり、CDシングルとしてリリースされている“面影・未練橋”なのかな?

でも、大賞候補の優秀作品賞にはCDシングルとしてはリリースされていないAwesome City Club“勿忘”も入っているから、動画再生で注目された“チョメリズム”を歌う可能性もあるような気もするしね…。まぁ、どっちも好きだからいいんだけれどね。

とりあえず、るかちの受賞は難しいとは思うが、個人的には今回のレコ大で唯一の楽しみかもしれない。


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