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【記事まとめ】プラグマティズム徹底詳解

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『プラグマティズム古典集成』の全章解説を中心にプラグマティズム関連の記事をまとめました。600頁超の同書のポイントを、超意訳すると以下の三点です。 ▼ パース:困難を乗り越えるた… もっと読む
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『プラグマティズム古典集成』(植木豊編訳)を読んで(1)パースのプラグマティズム…

最近あげてきたプラグマティズム関連の書籍は、こちらに至るまでの準備運動でした。だいぶ分厚…

【読書メモ】多様性、理論化、主観。:『ウィリアム・ジェイムズのことば』(岸本智典…

ウィリアム・ジェイムズの言葉を解説した本書を、ゆっくりと読み返すのは味わい深いです。初読…

【読書メモ】ジョージ・ミードの入門書としても読める!?:『自己形成の心理学』(溝…

G・H・ミードは初期のプラグマティズムの論者でありつつ、その後のブルーマーのシンボリック相…

【読書メモ】ジェイムズと漱石:『ウィリアム・ジェイムズのことば』(岸本智典編著)

週一でまったりと読み返して書いている『ウィリアム・ジェイムズのことば』。今回は、経験、個…

【読書メモ】「今ーここ」と意識:『ウィリアム・ジェイムズのことば』(岸本智典編著…

『ウィリアム・ジェイムズのことば』を引き続き読み返しています。今回は、意識、心、プラグマ…

【読書メモ】経験と純粋経験:『ウィリアム・ジェイムズのことば』(岸本智典編著)

現代の日本において、プラグマティズムや経験といった言葉から連想されるのはジョン・デューイ…

【読書メモ】一元論 vs. 多元論:『ウィリアム・ジェイムズのことば』(岸本智典編著)

『ウィリアム・ジェイムズのことば』の前回のまとめでは、プラグマティズムの説明をする上でジェイムズが多様な評価軸による多様な真理を認めるということに触れました。ここからも推察できることなのかもしれませんが、ジェイムズは多元論の立場に拠っていることが読み取れます。今回は、一元論に対する多元論について考えます。 一元論ジェイムズが仮想敵として置いている一元論は、イギリス観念論と呼ばれる学派によって提示されているものです。本書ではT・H・グリーンとF・H・ブラッドリーといった哲学者

【読書メモ】有用であるとは何か?:『ウィリアム・ジェイムズのことば』(岸本智典編…

プラグマティズムという考え方は実用主義と混同されて誤解されることがよくあると著者たちは警…

【読書メモ】ヴィジョンと問い:『ウィリアム・ジェイムズのことば』(岸本智典編著)

今回は、『ウィリアム・ジェイムズのことば』の第1章・第1節「哲学は一人の人間のヴィジョン…

【読書メモ】『ウィリアム・ジェイムズのことば』(岸本智典編著)

プラグマティズムを主導した人物の一人としてウィリアム・ジェイムズという方がいます。以前『…

【読書メモ】デューイ読書会!:『経験と教育』(ジョン・デューイ著)

LDC同期の有志メンバーでデューイを読みました。修了した後でも基礎的なテクストをガチで読み…

【読書メモ】「プラグマティズムって何?」と思った時に最初に読む本:『希望の思想 …

アメリカ発の哲学と言えるプラグマティズムを入門的に理解でき、ロールズ、サンデル、ローティ…

『プラグマティズム古典集成』(植木豊編訳)を読んで(2)哲学的概念と実際的効果(…

第2章はジェイムズの講演録です。プラグマティズムを最初に提示したのはパースであると冒頭で…

『プラグマティズム古典集成』(植木豊編訳)を読んで(3)プラグマティズム(パース/ジェイムズ)

第3章は、1902年に出版された『哲学・心理学事典』(ボールドウィン編)の項目からの抜粋です。たった四ページしかありません。読みやすいといえば読みやすいのですが、ページが少ないので補足が必要とも言えます。ために、いつものように解題を参考にしながらまとめてみます。 第一項:パース執筆プラグマティズムは現実、すなわち形而下を主たる対象としていますが、パースがここで述べているのは形而上学を否定するものではない、ということです。 では否定するものと認めているものとの差はどこから生