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【読書メモ】ヴィゴツキーとウィトゲンシュタイン:『ヴィゴツキー小事典』(佐藤公治著)

ヴィゴツキーは言葉による他者との相互作用を重視しています。こうした言葉や記号を重視する考え方は、ウィトゲンシュタインと近しいものがあると著者はしています。

ウィトゲンシュタインの考え方との近さ

では、ウィトゲンシュタインとヴィゴツキーとが捉える言葉について、どのような点に近さがあると著者はしているのでしょうか。

言葉を行為として論じたルートウィヒ・ウィトゲンシュタイン(Witgenstein, L.)も彼の『哲学探究』(1953)で、言葉の意味を理解することはその言葉を使用することであると述べていた。言葉の意味は言葉で示す行為であるとしたが、そこには言葉と思考について、ヴィゴツキーとの類縁性を見出すことができる。
p.193

ウィトゲンシュタインの『哲学探究』に出てくる有名な言葉といえば言語ゲームでしょう。wikipediaにも出ている著名な哲学ワードの一つですが、なんとなく知りたい方は以下をどうぞ。

ヴィゴツキーにとって、言葉は内的世界と外的世界との相互作用プロセスを動かす重要な媒介物です。かつ、言葉とは不変のものではなく変化するものです。個人も他者も社会もまたダイナミックな存在であり、お互いに影響を与え合うことで変化・変容するものとしてヴィゴツキーは捉えていることがわかるのではないでしょうか。


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