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【先行研究】仕事がラクな時はキャリア・アダプタビリティがジョブ・クラフティングを促す!

仕事がラクだなぁと思っている状態の時には、究極的には、①ダラダラとやり過ごす、②仕事に工夫を凝らしながら取り組む、の二択が考えられます。②に至るためには、キャリア・アダプタビリティが影響することを明らかにした先行研究を今回はご紹介します。

仕事に工夫を凝らす=ジョブ・クラフティング

仕事に工夫を凝らすことを、ジョブ・クラフティングと言います。Wrzesniewski & Dutton(2001)によれば、ジョブ・クラフティングとは自分の仕事の境界を物理的・認識的に変化させることです。詳細な定義は原文を引用するのでご参照くださいませ。

We define job crafting as the physical and cognitive changes individuals make in the task or relational boundaries of their work.
Wrzesniewski & Dutton(2001)、179頁

ジョブ・クラフティングについては修士の時にだいぶ論文を読んだので、もう少しマニアックに詳しく知りたい方は以下をどうぞ。

キャリア・アダプタビリティとジョブ・クラフティング

では、ジョブ・クラフティングはいつ生じるのでしょうか。Woo(2020)は、キャリア・アダプタビリティと関連した研究を行い、両者の関係性を明らかにしました。

Woo(2020)によれば、職務に求められるレベルよりも能力があると個人が認識している場合(ざっくり言えば仕事がラクだなぁと思っている状態)、キャリア・アダプタビリティが高い場合にはジョブ・クラフティングが促されるとしています。

キャリアをすすめる能力が高ければ、もっとこんな工夫をして目の前の職務に取り組むことで今の職務だけではなく中長期的なキャリアをデザインすることができるかもしれない、と考えるということなのではないでしょうか。キャリア・アダプタビリティという中長期的なスパンでの概念と、ジョブ・クラフティングとう短期的・日常的なスパンでの概念とがこのように関係するというのは興味深いように感じます。


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