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中之島備忘録 令和4年3月8日火曜日

工事の音が響く。
大気はいつになく透明で、古い歴史的建築物が、すこしずつ近づいてくるように見える。

足元の煉瓦のタイルの色の違いをぼんやり眺めていると、気持ちが落ち着いてきた。ここでよく見かける犬が、興味なさそうに一瞥。大きな鳥が変な鳴き声を発しながらゆったりと低く飛んでいった。霞んでいて見えないけれど、鳥が目指しているのはきっと、ずっと向こうにあるはずの、あの笑っている山だろうと思った。

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可もなく不可もなく、答えも意見も批評も必要ない。ただここには流れる時間だけがあり、私が存在するという事実。
レーゾンデートル。そんなものの意味など無いから。ようやく解放される。


このひとときだけでも。

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