中之島備忘録 令和4年3月9日火曜日
知らず知らずのうちに、大気は汚されていて、私たちに降り注いでいる。払っても払っても汚れは落ちず、マスクをしてすっかり安心しきっている人々の小さな皮膚の穴から滑り込んでは、次第に内側から穢してゆく。そして蓄積していく。灰が積もるように、静かに、静かに。
そんなことを考えていたら、堪らなく気持ち悪くなってきた。
安全で平和な世の中にいて、なぜわざわざこんなに怯える必要があるのだろう。
バラ園のバラの木は枝だけになっても、ちゃんと生きている。いつも誰かが見守って育み続けているから。
命の連鎖は、誰かが存在することで可能となり、死んだり産まれたりすることができるのだろう。
遠くも近くも、霞んでいる。
春は埃っぽいから嫌い、と昔、誰かが言っていた。
今も変わらず、春は埃っぽいよ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?