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書きたいのに書けない時、もがきながらする7つのこと

書きたいのに書けない時がある。

想いはあるのに、言葉にできない。
言葉はでるけど、なんだかハリボテのように思える。
きれいな文章ができあがらない。
凡庸な言葉に終始してしまう。

いっそ、やめてしまいたくなる。
書くことなんて、想いを言葉にすることなんて、しなくたっていいじゃないか。できなくたって、困らないじゃないか。

でも、やっぱり書きたいと願う。

この想いを、言葉にしたい。
言葉にして、誰かに届けたい。届いてほしい。
ぴったりの言葉たちと巡り合いたい。

そんな苦しい時に、もがきながらする7つのこと。

1. 箇条書きにしてみる

思いの丈を、ただただ箇条書きにしてみる。ノートの余ったページや、スマホのメモ帳、なんでもいい。とにかく書いてみよう。(わたしはフリック入力より手書きのほうがしっくりくることが多い。)

(あなたは、「言葉が出てこない」のではなく、「文章が作れない」のかもしれない。
でも、文章は言葉の集まりだ。出てきた言葉を繋げれば、文章はできあがる。

最初から良い文章を書こうとするのはやめよう。
話すのと違って、書くのは何回でもやり直せるから。一度書いてみると、だんだん自分の想いの輪郭が掴めてくるものだ。

2. 書けない気持ちを書いてみる

箇条書きも難しい時には、書けない気持ちを書いてみる。

・どんな言葉をはめてみても、この感情を言い表すことができない。
・いろんな感情が錯綜して、言葉にまとめられない。
・一旦原稿を完成させても、すぐに消してくなってしまう。

きれいな一文でなくていい。単語や文字の羅列だっていい。

できれば、ノートやメモ帳に書きながら考えるといいだろう。後から見返すことで気付けるものもある。

ドロドロとしたものや、絡まった感情を放置していると、やがて大切なものを包み隠してしまう。きちんと吐き出してから、また自分の心と向き合ってみるのも良い。

3. 場所を移す

一旦書くことから離れるのも有用だ。切り替えスイッチを押すようなイメージ。

シンプルなのは、環境を変えること。
わざわざ外出せずとも、テーブルの向かい側に移るとか、ソファから座椅子に移動するとか、その程度でいい。1分程度立ち上がって座りなおすだけでも、切り替えるキッカケになってくれる。

「切り替えスイッチを押す」で言うと、他にも

・他のテーマで書いてみる
・目を閉じて10秒数える
・深呼吸する
・手を洗う
・BGMを変える・流す

などがある。
ぜひ、自分の切り替えスイッチを探してみてほしい。

4. 飲み物を飲む

書けない、できないと、人は落ち込む。落ち込むと、遅れを取り戻そうとして、焦る。焦ると余計に言葉が出てこなくなる。余計に落ち込み、また焦る。そういう悪循環が加速していってしまう。

だから、ほっと安心できるようなことをする。

飲み物を飲んだり、お気に入りのハンドクリームをぬったり、ふわふわのストラップを握ったり。
自分が安心できるものならなんでもいいが、座った状態でできることがおすすめ。道具を使うなら、バッグの中に入れてもかさ張らない程度のものがいいだろう。

5. 絵を描いてみる

言葉で表現できないなら、他の表現方法を試してみる。

絵を描く。歌を歌う。身体を動かす。
図のようにまとめることもあるし、思うがままにペンを走らせてみることもある。自分の感情に素直になることが一番大切だ。

やがて、「あ、コレ」と思えるものに出合う。求めていた言葉に近いイメージが掴めるような気がする。
もしイメージを掴みきれなくても、ちょっとした気分転換にはなってくれる。

6. 抽象的な言葉を使ってみる

具体的な言葉、映像を持つ言葉は、強い。ハッキリとしたイメージが伝わるし、誤解も生みにくい。
一方で抽象的な言葉、映像を持たない言葉は、強くはない。イメージはぼんやりとしているし、人によって受け取り方は違う。

「やさしさ」の定義も、「すてき」の基準も、「良い」の程度も、誰にも分らない。書き手にだって、断言はできないかもしれない。

でもその分、抽象的な言葉は幅広い感情をフォローしてくれる。
「あたたかい」とか「ふわふわした」とか「ほんのり」とか。共通認識は持たせられなくても、「なんとなく、こんな感じだよね」くらいには思い合えるのではないだろうか。

書き手は、もっと読み手を信じていい。
大丈夫。伝わる。だって、あなたが真剣に向き合って、選んできた言葉たちなんだから。

7. 自分の言葉を信じる

いろいろともがきながら方法を試してみても、結局うまくまとまらない時がある。

どんな言葉も、かりそめのものに思えてくる。
陳腐な表現しか思いつかない。
こんな拙い文章では、正しく伝わらない。

向き合い続けるその姿勢は立派だ。
でも、もう少し自分の言葉を信じてみてほしい。

特別な言葉を見つけようとしなくていい。どこにでもある、平凡なものだっていい。
いくらそれがつまらないものに思えても、今のあなたが自分で紡いだ以上、その言葉や文章はとってもすてきなものなんだから。

まとまらなくてもいい。オチがなくてもいい。
端的にかっこよく述べるだけが、言葉じゃない。表現じゃない。

わたしは、あなたの等身大の言葉が読みたい。
耳触りの良い言葉の寄せ集めではなくて、あなたが選んだ言葉たちの集まりを読みたい。

世界でたったひとつの、今のあなたにしか作り出せない文章がそこにはある。

前提として:モヤモヤは言葉のタネである

前提として覚えておいてほしいのは、モヤモヤすること、スムーズに言葉を生み出せないことは、決してダメではないということ。

「書く」ということは、言葉を生み出すことではない。
造語など、言葉をつくる人もいるのかもしれないが、基本的には、名前の付かない想いに対して、似合う言葉を探し、当てはめていく作業だ。

もともと名前なんて持っていないのだから、ちょうどいい言葉が見つからない時だって当然ある。そもそも、100%当てはまる言葉なんてないのかもしれない。

だから、モヤモヤするのは当然だ。
それはあなたが「書けなくなった」のではなく、「書いている途中」に過ぎない。

モヤモヤは、言葉のタネだ。時間をかけて向き合うことで、やがて芽を出し、言の葉を育てる。花が咲く。誰かへと届いていく。

書けない時もある。また書ける時がくる。

止まない雨はないが、降らない雨もない。でもやっぱり、永遠のように思える雨もやがては止む。土砂降りでも、やがては、絶対に。

書くこともそうだ。
書けない時があるなら、書ける時もある。書けない時は、永遠ではない。

もがかなくていい。焦らなくていい。責めなくていい。どうにかしよう、なんて考えなくていい。

ただ、自分を受け止めてみよう。書けない自分を受け入れよう。
傘を差さずに雨に当たってみるのも、意外と気持ちのいいものだ。雨が降った後の草花は、美しい。

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