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【お休み宣言の大切さ】

うつ病を経験しました。過去形というのは、いまはもう抜け出しているからです。こうして振り返りができるのも、いまは心身共に元気だからです。

うつ病になった理由や経緯を話すと、いまでも正直気分が良くないので、簡単に書きます。システム開発の責任者と納期のプレッシャーに加え、上司からの継続的かつ恫喝的な叱責によるものです。後者の方が圧倒的に私をうつ病に追い込みました。

ものの考え方がシステム屋なので、うつに至るまでには3段階があると分析しました。万人に当てはまるかはわかりませんが、少なくとも、うつ病は急にはならないことは確かです。

【うつ病のなるまでの3段階】
◆第1段階:
できると思う自分がいる。がんばればできるとこれまでの経験を励みにしている。毎日残業、休日返上で仕事をやって、なんとか成果を出せている状態。気持ちが焦る。これじゃダメだ、もっとがんばらなくちゃと自分を励ましている状態。

◆第2段階:
心身ともに無理をしても成果が出せなくなる。めまいや吐き気、ヘンな汗が出てくる。心の前に、体に異常が出てくる。薬を飲んで誤魔化したりする。自分にしかできない仕事だ、何とかしないといけないからと仕事を優先し無理して出勤する。体のアラートを無視して、気力と責任感だけでがんばっている状態。

◆第3段階:
成果が出ない。出ないというより何が成果なのかわからなくなる。怒鳴る上司の指示はもちろん、回りの同僚の話も、何をしゃべっているのか理解できなくなる。一生懸命に話を聞いているが、わからないので無反応、無表情になってしまう。思考がストップ。感情も反応なし。外からの刺激を完全シャットアウトして、頭がぼんやり白くなっているような状態。もうダメです。これが、うつの発症です。

これが3段階ですが、引き返せるのは1,2段階までです。3段階になってしまうと手遅れです。よく、「うつになるくらいなら相談して」、「悩んでるなら何でも話して」とか、励ましの言葉がありますが、あまり期待できません。

何故なら、1,2段階までは、目の前に山積みされているタスクを必死でやっているので、本人は悩んでいる暇はありません。悩んでいるのは、業務上のことで、人に相談できないような細かい事が多いのです。周囲の人から見れば、すごくがんばっている人と見えます。「無理しないで」のありがたい言葉も、この時期は耳に入らないものです。

ここで有効なアドバイスをしたいところですが、私自身が1,2段階をスルーして、うつになってしまったので、もし言えるとしたら、

1,2段階では自覚症状があるはずなので、その状況を続けていくと、次には3段階目があり、突入するともう戻れない「うつ状態」になってしまうのだと知ることです。

自覚症状がでた時ならまだ間に合います。このときに休めば、気力体力が戻るだけではなく、それまでやっていたことの振り返りや、新たな発見などもできるはず。

そして、1,2段階の人は、休む時は最低でも1か月くらいの期間を休むのが望ましいです。とはいえ、どんな会社も許してくれそうにないと思います。そもそも、そんなことは言い出せない。私の場合もそうでした。

しかし、無理が重なり、とうとう会社で突然倒れ、救急車で運ばれました。そこで初めて私の不調を会社が認めてくれました。1週間だけ休ませてもらいました。第2段階の時期です。

1週間休んだだけでも、「アレ、自分が休んでても仕事はまわってる」と気が付き、少し安心します。そうなんです、自分しかできないというのは、ちょっとした思い上がりだったのです。

しかし、休む期間が短かった。
翌週、出勤するとすぐさま戦場に飛び込み、元に戻ってしまい、1か月後には第3段階に入っていました。あまりにおかしい対応ぶりを誰かが人事部に申告したようで、人事部から精神科に行くよう指示があり、医師の診断書には「うつ病」とありました。

それから結果的に1年間、私は休職をしました。
あの2段階の時期に、最低でも1か月くらい休めていたら、1年もの間、悩み苦しまなくても良かったのにと思います。

繰り返しになりますが、もし自分が1,2段階にいると気が付いた人は、本当は思い切って、お休み宣言をするのがいいです。

あなたがいなくても世界は回ります。誰にも迷惑なんてかかりません。小さな自尊心は捨てて、自分の将来のために休んでください。長い一生のうちの1か月や1年間なんて、大したことではありません。十分に挽回はできるし、それ以上のものは得られます。自分というちっぽけな存在を何よりも愛して大切にして下さい。


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