件のマフィン事件から学ぶ、料理を作る側・食べる側に必要な知恵

やばいマフィンがイベントで売りに出されたという件でTwitterが賑わっている。


この件に乗っかって、件のマフィン屋を殴ってスッキリしたいという人も多いとは思うのだが


「そいや自分も料理の素人っちゃ素人なわけで…」
「ああいうことをやらかす可能性って、普通にあるよな…」


と冷静に自らを省みられるタイプの人もいるだろう。


実際問題としてだ。私達の多くは食中毒に対する知恵が少ない。


例えば糸を引くような食べ物がヤバいというのは直感で誰もが危険を察知する事が可能だが、じゃあ納豆は、松前漬けは、ネバネバ丼は、昆布水つけ麺は食えないものなのだろうか?


直感は非常に大切だ。見た目がヤバかったり、ひとくち食べて変な味がしたら吐き出すというのは人に備わった大切な才能である。


しかし同時に人は頭を使って現象を正しく理解する事が可能な生き物でもある。


背景でどういった現象が生じているのかを、キチンと理解して知識を使いこなして生きていける人間は、他人を殴ってスッキリするだけの人間には絶対に備わらない風格のようなものが宿される。


というわけで今日は料理を作る側・食べる側に役立つ知恵を書いていこうかと思う。


基本的には生物は多様な生き物で満ち溢れている

あなたの身体は9割が細菌という本がある(物凄く面白いのでオススメ)


今回の件とは若干趣旨が異なる本なので詳細には立ち入らないが、この本の通り、基本的には生物というのは単一個体ではなく複合個体である。


例えば食事の前に手を洗う事が推奨されているのは、手の表面に雑菌が付着しており、それらを洗い流す事で風邪にかかるリスクが減じるからだ。


これは肉や魚においても同じことだ。外界で生活する全ての生き物は、生きる過程で絶対にどこかで雑菌が付着する可能性がある。無菌豚として有名な林SFPというものがあるが、あれは生で食べられるという意味を示してはいないし、実際問題としてお肉は無菌ではないから無菌豚というのは誤称である(HPでもキチンとそう説明されている)



基本的には全ての食物は何らかの菌を持っていると考えるのが妥当である。故に死にたくないのなら、基本的には食べ物は調理(高温・低温・洗浄)を加えて食べるべきなのである。


食中毒で抑えるべきポイント

とはいえ現代社会は本当によく出来ていて、基本的には私達は食べ物を食べて調子を壊す事はまずない。

現代の食品衛生管理技術は本当に凄い。刺身やサラダで当たったという人は極々稀であろう。


現代日本は人間が食べ物を通じて死ぬリスクをほぼ排除できている。故に9割方において、食中毒の事など全く考えずに食事を楽しんでもらって大丈夫だ。

とはいえコレはヤバいと避けた方がいい場面は実際問題としてある。以下に考えられるものを列挙していこう。

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