見出し画像

【特徴から学ぶ】子ども達の放火は日本でなぜ問題になっているのか?

児童や青少年における火遊びや放火は、その深刻な結果や社会的影響の可能性から注目されています。
最近の研究によると、0~4歳の子どもにおける火遊びは、負傷の42%、死亡の62%を占めているという驚きの報告もあるくらいです。
今回は、火遊びや放火を行ってしまう児童思春期精神科外来の特徴についての報告がありましたので取りまとめました。

直近でまとまっている全年齢を対象とした、放火事例については、令和2年度の「総務省消防庁」の統計からの引用ですが、
https://www.fdma.go.jp/publication/hakusho/r2/chapter1/section1/para1/56559.html
✅令和元年中の放火による出火件数は2,757件(全火災の7.3%)
✅これに放火の疑いを加えると4,567件(全火災の12.1%)
✅放火及び放火の疑いによる原因はライターによるものが1,296件と最も多い
という結果になっています。
ただし、これらの統計は全年齢層を対象としており、特に子供による放火件数についての詳細は明記されていない現状でした。

コロナ禍では家庭内自粛が多かったため、令和4年度の最新調査では、
✅令和3年中の放火による出火件数は 2,333件(全火災の 6.6%、対前年比 6.6%減)
✅これに放火の疑いを加えると 3,888 件(全火災の11.0%、対前年比 4.0%減)
となっており、若干減って入るものの推移としてはあまり変わっていません。

https://www.fdma.go.jp/publication/hakusho/r4/items/r4_all.pdf

ただこの時点でも青少年の関与は見えないままとなっています。

年齢ごとの放火事件件数の母数はわかりませんが、今までの過去の報告から、青少年の火遊びに関連した傷害の84%は、マッチやライターで遊んでいるケースから発展していると言われています。

青少年の場合は、危険性をわかっていながらも火遊びや放火を行うという問題行為をとるケースもあり注視しなければならない問題となっています。

今までの世界の研究の動向として、
✅男児が放火を行うケースが多いこと
✅放火は年齢が高い程再犯率が高い
✅世界的には6~8歳の間に最初の放火を経験
✅背景にADHDなどの疾患が関わっている可能性
✅家庭環境等のストレスが要因
などが挙がってきています。

ここにADHDという内容が挙がっていますが、あくまでもこれは世界的な傾向であり、その子達の背景や環境というのは全くわからないということになります。そのためADHDだから放火!という短絡的な意味合いではない所は注意しておきたいところです。

この火遊びをするこの心理的な問題が指摘される中、どういう特徴のある子がこのような問題行為を行ってしまうのか?というところは日本では不透明なままでした。

そこで、東京医科大学の精神科による事例を基にして、日本における動向調査が行われたという背景になっています。

すると、ある背景が見えてきており、今後の子どもたちの教育においても重要な項目が見えてきました。

ここから先は

1,309字
この記事のみ ¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?