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月がきれいですね

おはようございます!
 
昨日は中秋の名月でした。
 
月もきれいでしたが、
私はいつも夏目漱石のことを思います。
 
「I love you」を訳して
「月がきれいですね」といった逸話です。
 
あの気難しそうな夏目漱石は、
文語体の書き言葉を、
口語体の話し言葉に変えていくという
壮大な仕事を目指したようです。
 
だから
帝国大学英文学科を卒業して
気難しそうな顔をしているのに、
ぼっちゃんとか吾輩は猫であるとか、
風貌には似つかわしくない小説を書いた
と私は想像しています。
 
それが
「月がきれいですね」
という訳語に表れています。
 
一つは、私はあなたを愛しています
などと主語、述語、目的語が明確な言葉を
使わない。
 
二つには、あなたを愛しています
などと直接的な表現は使わない。
 
三つには、間接的な表現対象として、
人間界ではなく自然界をとりあげる。
 
仕事ではあいまいでまどろっこしい
と思いますが、風情のある日本語です。
 

 
一度、
「月がきれいですね」
を使ったことがあるのですが、
効き目はなく、甘酸っぱい思い出に
終わってしまいました。
 
今日もよろしくお願いします。
 
安島

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