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過去の自分の作品から紐解けること

2019年の5月に配信開始された『クロッシング・ラブ』という作品がある。お世話になっている夕霧文庫さまより出版していただいた。
COCORO BOOKS - クロッシング・ラブ - 高槻弘壱 - 電子書籍・漫画 (galapagosstore.com)
試し読みも可能なので、興味のある方はお読みいただければと思う。

この作品では平成の世の中はこんな風だったということを書き残したいと思って書いた作品だ。仕事とプライベートの両立や、恋愛観などを綴っている。翻って、令和の今の世の中はと言うと。まだ、令和6年を迎えたばかりで、この先、どんな世の中が待ち受けているのか、見当もつかないけれど。
ただ、ネットニュースを眺めていると、新入社員の3割ぐらいはすぐに会社を辞めてしまうそうだ。ブラック企業に替わり、今度はホワイト企業が現れ。仕事が緩い、このままでは自分は成長できない、不満は無いけれど将来に漠然とした不安を感じているなど。

そういったことが散見される。世の中、と言うよりも会社組織という閉じた世界がそんなに簡単に大きく変われるものでもないのだろう、と言うのが一つ感じたことだ。

就職氷河期時代があって、失われた30年などと言われているけれど、就職率は高くなっても、離職率も高いということは会社で働く若手社員の意識と言うものも変わっていないのだと思わざるを得ない。

転職すれば、当然ながら自分自身が新たな会社で置かれる立場というものも変わってしまう。持論としては、転職などせずに、自分の好きな仕事を覚えるために新卒で入社した組織で一所懸命に働くのがベストだと思うのだけれど。

非正規社員と正社員での格差も物凄く大きくなっている。俺自身は雇用に関する専門家では無いので、より良い考えがどういったものかはわからない。ただ、俺自身が転職活動や繋ぎで派遣社員として過ごしていた不安定な社会人生活を振り返ると、やはり、まずは安定した社会生活を送るためにはどうするのかを優先順位のトップにして考えるしかないのだろうと思う。

四十代で早期リタイアするまでの間、情報誌の編集制作の仕事に無理をしてでもしがみついていた。他にやりいたいこと、例えば資格を取って全く畑違いの仕事に就く。その考えも中途半端で結局は自分のためにはならず。

派遣社員として最後に働いたのが52歳の時で、印刷会社で印刷物の校正の仕事をしていた。その間も、親の介護の問題もあって。また、持病の副鼻腔炎での入院・手術騒ぎなどもあったりして。

新聞社に勤めている兄がいる。兄は昨年、定年を迎えたけれど、雇用延長で今も新聞社で働いている。その分、俺が伯母、母、父の介護・介助に当たった。社会人としてのデキは最悪かもしれないけれど、親を看取るために最大限の努力ができた。なので、俺なりに自分の役割は果たせたなと思う。

自己紹介にも書いたけれど、勿論、社員として働いていない時はコツコツと原稿書きを進めていた。全く何もせずに無駄な時間を費やしていた訳ではない。そして、2011年からは実家の家業を継ぎ、好きな小説を書きながら過ごし、2018年6月には曲がりなりにも電子書籍作家としてデビューもできた。実は不安定なようでいつつ、何の心配とも無関係な生活を送れている。

話が逸れてきたので、この辺にしたいと思うけれど、働くということ、そしてその対価として給料を得ること、日々の暮らしを平穏無事に送っていくことが如何に大変なことか。まずは、そこから考えて、ご自分の人生をやり繰りしていくためにどうすれば良いのか、じっくり考えて欲しいと思う。ふと、そんなことが頭を過った。



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