見出し画像

#22 罰ゲーム化する管理職(JTC経理DX課長の読書メモ)

はじめに


お読みいただき、ありがとうございます。
図書館について書いたエントリーがよく読まれていて、恐縮です。

たぶん、ちょっと人とは違う面白がり方ができていたからなのかな、と思います。

#20 図書館の面白がり方|さらりーまん料理@JTC経理DX課長 (note.com)

ちなみに、記事を書くときは、近くの川を散歩しながら音声出力したものをChat GPTに誤字脱字を直させ、添削させ、それをさらにブラッシュアップして書いています。

散歩しながら独り言をする、という行為は結構面白くて、記事の下書きだけでなく、役員に説明する前日などは、プレゼンの練習をしたりしています。会社携帯を持ってパワポをめくりながら、散歩しながら練習です(・・・何やってるんだか、完全に仕事やんけ、という気もしますが)

記事の書き方についても、いろいろなやり方がありそうで、いつかまとめて書きたいなと思っています。

また脱線しましたが、今回は読書録です。

罰ゲーム化する管理職、タイトルが納得すぎる

https://amzn.to/3TsqmN7

小林祐児著。
一言でいうと、管理職として働くこと自体が罰ゲーム化している、その現状を何とかしよう、という話。

某JTCで経理DX課長を務める私にとって、自分のことが書かれている!と思わざるを得ない本でした。

朝から晩まで会議ばかり、部下はメンタルヘルス不調、女性活躍と言われても女性側にはその気はない、若手はやる気がないetc

まさに、直面している問題。

日本企業ではフラット化が進み、組織に占める管理職の割合が減ってきている。そのため管理職1人あたりが管理するメンバーの数は増えている。Span of Control(SOC)が大きくなりつつある。

管理職自体が前面に立つ、プレイングマネージャーも増えている。リソースはないが、新しくやることはある。自動化、DX、AI利活用、新たなテーマはいっぱいあるけど、やる人はいないよ・・・?(JTC経理DX課長のぼやき)

管理職の負荷は高まる一方で、サクセッションを考えようにも、若手はどんどん退職し、周りはキャリア採用で入ってきた人ばかり。この中から・・・任せられるのか?

給与倍率(一般従業員と幹部の給与倍率)がどんどん小さくなっている。残業をたくさんしている係長クラスと、残業手当のつかない残業をたくさんしている新任幹部だと、前者の方が実入りが大きい、というのはよく聞く話・・・。

人事評価関連の研修だけでも、四半期に1回は受けさせられる。コンプライアンス、安全、ハラスメント、部下のメンタルヘルス・・・さまざまな研修受講指示メールが矢のように飛んできている(部下の皆さんは知っているんだろうか?)

これらの状況を横で見ていて、管理職なんてなるか、と思う人が増えているのは納得しかない。よくぞここまで整理して書いてくれた、と思います。

ここまでで、十分に良書です。
でも、さらにいいことが書いてあった。
それは、具体的な処方箋です。

管理職罰ゲーム化への具体的処方箋


1.フォロワーシップ•アプローチ
2.ワークシェアリング・アプローチ
3.ネットワーク・アプローチ
4.キャリア・アプローチ

順を追ってまとめてみます。自分のためのメモです。

基本的に、リーダーの個人能力に頼らずに、リーダーの過活動(動き過ぎ)をなくす。サステナブルな仕組みを組織全体で作っていこう、というのが通底する考え方だと理解しました。

1.フォロワーシップ•アプローチ

リーダーが受けている教育について、同じレベルではないにせよ、フォロワーの方にも概要を知ってもらおう、というのが基本線です。そして、知っているということを知っている、というメタ的状態を作ろう、ということ。

人事評価研修も、どういうことをリーダーが研修で受講しているかを見える化し、簡素化された内容でよいのでメンバーにも伝える。

2.ワークシェアリング・アプローチ

まず、リーダー層の絶対数を増やし、適切な組織の大きさ=Span of Control(おそらく1組織10名程度、多くても15名程度では)に持って行く。

次に、権限委譲。リーダーからメンバーへ適切に業務を委譲する。専門職を適切に処遇し、やる気のあるおっさん・おばさんを増やす。

サントリーホールディングスではTOO(隣のおせっかいおじさん・おばさん)という言葉・施策があるそうです。面白そう

3.ネットワーク・アプローチ

管理職同士のつながりを作ろう、という話。つながりは組織内の垂直型(上司)関係、水平(同職位)関係、そして越境(他社)関係の3つ。

垂直型:役員によるメンタリング
水平型:カジュアル定例MTG、部や本部横断のワークショップ
越境型:他社との勉強会・合同研修、社外副業
→他社との勉強会は、企画できる立場にあるのでやってみようと思います。
→部内の勉強会(読書会)もやりたい。

4.キャリア・アプローチ

健全なえこひいき=ファストトラックを用意し、早期選抜。新卒一括採用の入社者が横一線で競争、ということは辞める。

新卒入社同期同士で勝負しても、仕方ないと最近も思っています。
やはり人には向き・不向きがあります。マネジメント向きな人もいれば、専門性を磨いていきたい人もいて。志向は人それぞれです。

16パーソナリティ、なんてのもあって、これも面白いですね。
私は建築家、でした。

無料性格診断テスト、性格タイプ詳細説明、人間関係およびキャリアのアドバイス | 16Personalities

それよりも向いている人は早期選抜し、それにあった処遇と教育を受けさせるべきだと思います。50代後半になっても、1つの事業(or本社)しか知らない人が、会社全体の視点を持て、というのは無理ゲー、いやそれこそが、罰ゲームではないかという気がします。

最後に


この本、管理職になって仕事が大変になったと感じている人や、管理職になりたくないなと思っている若手の人も、ぜひ読んでほしいと思いました。現状をただ述べるだけにとどまらず、具体的な処方箋が、様々な調査結果を元に整理されています。

読みながら、実践してみたいことも複数あり学びが大きかったので、メモにまとめてみました。

今回も、お読みいただきありがとうございました。

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?