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SNS時代の「伝わる文章」はロジカル、エモーショナル、そして……

ぼくが自分で文章を見直すとき、もしくは他人の文章をフィードバックするときにチェックするポイントがいくつかあります。

チェックポイント① ロジカルかどうか

ひとつめはロジカルかどうかということです。

まあ、あたりまえですよね。ちゃんと日本語になっているか? 文法が正しいか? A⇒B⇒Cというように、きちんと論理がつながっているか? 矛盾はないか? おかしいところはないか?

それらをきちんとチェックする。これは基本的に大切でしょう。

チェックポイント② エモーショナルかどうか

もうひとつ見るポイントがあります。

それは「エモーショナルかどうか」です。エモーショナルかどうか。つまり、感情がちゃんと沸き立つかどうか? という視点で見るということです。

それは役立つものかどうか? それを読んで感情が動くかどうか? おもしろいかどうか? その観点で見ていく。

ロジックが正しくても、このエモーショナルがまったくないものだとなかなか最後まで読んでもらえませんし、多くの人に伝わる文章になりにくかったりします。

ロジカルであるうえにエモーショナルであること。これがSNS時代に多くの人に届く文章の条件なのかな、と思います。

コンテンツあふれすぎ問題

もちろんすべての文章がエモーショナルである必要はないでしょう。

説明書だったり、何かを解説するような文章だったり、ただ事実を事実のまま届ける文章にはむしろ感情が入っていないほうがいいのかもしれません。

ただコンテンツとして多くの人に広めたいというときは、やはり「エモーショナル」というのは大切なポイントなのかなと思うわけです。

なぜなら世の中にコンテンツが溢れすぎているからです。Twitterにもnoteにも無数の文章があります。文章だけでなく、NetflixもあればYouTubeもある。

そういう無数のコンテンツのなかから選んでもらい、時間を使ってもらうには、ロジカルであるうえにエモーショナルが必要じゃないかと思うのです。

ロジカル+エモーショナル=うまい寿司?

突然ですがこの「ロジカル」と「エモーショナル」を寿司に例えたいと思います。

いつもの「生煮え例えシリーズ」なので温かく見守ってほしいのですが、まず「ロジック」というのは、寿司で言えば「米」の部分、「シャリ」の部分ですね。

もちろんシャリだけでも食べられるし、栄養はある。おなかもふくれるのですが、それだけでおいしく食べてもらうのは難しいでしょう。他においしいものが山ほどある時代は、ただの酢飯だけでは食べてもらえません。

そこで「極上のネタ」を上に乗っける必要があるわけです。この「ネタ」が「エモーション」、感情です。

この「ロジック」というシャリと、「エモーション」というネタが一体となって寿司になるわけです。寿司になった瞬間に強いコンテンツになり、多くの人に食べてもらえるようになります。

「銀座の寿司」と「宅配寿司」

そしてさらにこの例えでやりたかったのは「コンテクスト」の話です。

シャリにネタを乗せた同じ物体でも、銀座の高級店に並べば3万円の値がつきます。一方で回転や宅配であれば1000円くらいになります。

つまり、どこに置かれるかによってお客さんの数や層、寿司の価値が変わってくるわけです。文章も同じように、コンテンツにするだけではなく、最適なコンテクストに乗せましょうという話がしたかったのです。

銀座の寿司は3万円しますが、年間でせいぜい数百人にしか届かないかもしれません。一方で、回転寿司とか宅配寿司にすればカジュアルに何万人という人に食べてもらえるかもしれない。

「誰に何を届けたいのか」から逆算して、どのコンテクストに乗っけるのか? そこを考えるのもSNS時代の書き手が押さえておくといい部分かもしれません。

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ということで若干強引かもしれませんが、なぜか伝わらないなーというときは、この寿司理論を思い出してみてください。

きちんと「ロジック」というシャリに「エモーション」というネタが乗っているかどうか? そして、ちゃんと届けたいお客さんがいる「コンテクスト」に置かれているかどうか? そこを考えてみるとなにか発見があるかもしれません。

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