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やっぱ「第三者の評価」がいちばんの宣伝になるよね〜という話

CMを見て「購入」にまで至ることが減った

買いものの仕方が変わってきました。

たとえば本。昔は新聞広告で見て何の迷いもなく本を買うことがありました。本屋さんで偶然見つけてそのまま衝動買いということもありました。「あ、これおもしろそう」と思ってそのまま買うことが多かった。

でも最近は「Twitterで誰かがオススメしていたから」とか「口コミでおもしろいって聞いたから」というケースがほとんどになりました。本屋さんで本を見つけてもその場でAmazonのレビューを確認して高評価だったら買うということが増えました。

映画もそう。昔はテレビCMの予告編がおもしろそうであれば観に行っていた。テレビ番組などで映画の告知をやっていたら「観てみようかな」ということもありました。

でも今はやっぱり「Yahoo!映画」とか「映画.com」のレビューを見て、わりと評価が高いから観に行くか、みたいなことが多い。もしくはTwitterで感想がどんどん流れてきて観に行くケースも多いです。(最近だと「すばらしき世界」はそのパターンで観に行った作品。ぼくはそんなにハマれなかったけど。)

レビューを信じてそれに従って買いものをするのが「豊かなのか?」というのはまた別の議論ですが、「レビューによって人が動く」というのはここ10年くらいの傾向だと思います。

商品やサービスをつくっている本人が発信する情報だけで購入に至ることは極めて少なくなりました。もちろんその情報によって、消費者は「知る」ことはできるのですが、それもあくまで「きっかけ」です。その商品やサービスを知ったうえで「みんなはどう評価しているのか?」というレビューが存在感を増していると思うのです。

限られたお金、時間を有効に使いたいという心理

これはどういう心理なのでしょうか?

ぼくは社会学者や心理学者ではないのでわからないですが、ひとつは「損したくない」という気持ちが強まってるような気がします。「得したい」というよりも「損したくない」です。

先行き不安な世の中です。なるべく無駄づかいはしたくない。本や映画などのコンテンツであれば時間を無駄にしたくない。限りあるお金と時間を余計なことに使いたくない。だから「すでに価値が保証されているもの」に手を出す。既に評価されているもの、既に人気のもの、既に価値があるとわかっているもののほうが安心なんです。

作り手にとっては、この「レビュー」「第三者の評価」というものが実はいちばんの宣伝になるということになります。やっぱり「自薦」よりも「他薦」が効く時代だな、と思うわけですね。あたりまえなんですが。

ぼくもこうしてnoteをたくさん書いていますが、Twitterで宣伝するときにぼく自身が「書きました! このnote読んでください!!」と言うよりも、noteを読んでくださった方の感想をリツイートするほうが読んでもらえる確率は上がります。「参考になりました」とか「おもしろかったです」という感想は第三者の「お墨付き」です。それを拡散させていただくほうが効果があるんです。……というわけでフォロワーさんいつもありがとうございます。

で、結局は「いいものをつくる」しかない

じゃあ商品やサービスの作り手側、コンテンツの発信者側は何をすればいいのか? 「そうかレビューを増やせばいいんだ」と早合点して、ステマをやったり評価を水増ししたりすると逆に信頼が低下することになります。

結局一周回って「いいものをつくる」というところに落ち着くんじゃないかと思うんです。いいものをつくり、それを純粋に伝える。価値を生み出し、その価値が伝わるようにちゃんと伝える。あとはお客さんが判断してくれます。いいものであればちゃんと広がっていきますし、そうでもないものはそれなりに広がっていく。

厳しい時代ですが、これは弱い存在、小さな存在にとってはチャンスなんじゃないかなとも思うわけですね。これまではお金をたくさん持っているような会社がバンバン広告を打って、テレビや新聞、雑誌、街の看板などでバンバン宣伝すればブームをつくれましたし、その商品は売れていきました。ヒット曲を使って人気のアイドルを起用して湯水のごとくお金を使ってキャンペーンをすれば多くの人が購入にまで至った。

でも今は、そんなことはありません。

たしかにCMで商品名を連呼すれば知名度が上がり一定数は購入してくれるでしょう(未だになんだかんだCMは強いなとは思います)。ただそこから先のムーブメントにするには、やはり第三者の評価、口コミがすごく重要になってきているように思います。

映画はけっこう顕著です。テレビなどで大きなキャンペーンを張っても、ぜんぜんヒットしない映画もあれば、マスコミをまったく使わないのに「カメラを止めるな」みたいにムーブメントになっていく場合も出てきました。

資本の少ない作り手でも今はいいものさえ作れば、SNSなどで評価が広がっていく。だからすごくチャンスの時代なんじゃないかなと思うわけです。

「すっぴん」が魅力

ぼくが自分の会社・WORDSでやりたいのもそういうことです。

「そういうこと」というのは、口コミや第三者の評価をつくるということではありません。そうではなく会社や商品、サービスのよさを素直にきちんとわかりやすく伝えるということです。そこはまだまだ足りてないんじゃないかなと思うわけです。

これはぼくのなかの勝手なイメージなのですが、2000年代までは企業も「厚化粧」をして派手に見せていれば魅力に感じてくれて、お客さんが集まって来ていました。

2010年代になると派手な化粧ではごまかせなくなって、「ナチュラルメイク」というかあまり派手じゃないけれど自然でその会社に似合うような化粧をすることでお客さんは集まってきました。

2020年代からはどうなるかというと「すっぴんの時代」が来るのではないかと思っています。

「すっぴん」というのは、化粧をせず、ありのままの姿で勝負をするということです。本当に価値あるものが売れていき、そうでもないものはそれなりに売れる。そういう世界になっていくんじゃないかなと思いますし、それこそが健全な姿なんじゃないかなと思うわけです。

そして本当は素顔が素敵なのに、すっぴんでもすごく魅力的なのに、変に化粧をして伝えているような企業や商品、サービスも多いように見えます(偉そうですみません)。なのでぼくはその人たちに「ありのままの姿で魅力的なんだよ」ということを伝え、魅力的な部分に光を当て、それをストレートにシンプルにみんなに伝えていく仕事がしたいなと考えているんです。

今は主に経営者の隣で「顧問編集者」として言語化やコンテンツ作成を行なっています。どの経営者もすごく魅力的です。でも、ご自身ではそこに気づいていなかったり、違うところをアピールしていたりします。なのでぼくは、その人の本当の魅力を教えてあげて、それをそのまま伝えたいと思っているんです。ちょっとずつ成果が出始めているのでいずれ成果発表します!



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