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Lv5~Lv6統率者デッキ─『運命の炎、ユースリ』

はじめに。

 統率者戦はとても楽しいフォーマットです。自己表現と勝ちへの執念の度合いを自分自身で決めることが出来、それに合致した知人友人と誘い合わせゲームをプレイ出来ている時は何よりも幸せです。

 公式が推しているレベル5,6帯では様々な統率者を見る事が出来、かつそれらにマッチしたカード群も多く体験することが可能です。レベル7以上の3ターン目にゲームが終了するようなパリっとした環境も面白いですが、ターン数が伸びやすいから故に成せるコンボも多くありますので、僕自身はこのレベル帯が好ましいと思っています。

1・コマンダーの紹介

 

 ユースリはとてもエキサイティングで魅力的な統率者です。

 1UR、2/3、飛行という補助系にしては及第点のサイズ。ユースリは攻撃の宣言時に誘発する効果でカードをドローさせてくれます。「カードを引かせてくれる統率者はそれだけで価値がある」との共通認識がありますのでこのカードにも構築段階から期待感が高まります。

 1~5枚、コインを投げて当たった数だけカードを引き、はずれた数×2ダメージをコントローラーへ与えます。”ダメージ”ですので赤のデッキに挿しやすい発生源からのダメージ倍加エンチャントなどにご注意を。瞬く間に自分だけ消し炭となります。ここで5を宣言し、全て勝つ事により”このターンの終了まで手札より唱える呪文のコストが0になる”、所謂「全知」状態となります。

 大切な事ですが、よっぽどの特別な事情のない限りこの効果は”5”で宣言をし、コインを投げます。

 大抵の場合2,3枚カードを引き、4,6点のダメージをコントローラーへ飛ばしてきます。これを「2回のアタックで5枚引いて10点ダメージ」の効果だとイメージすると、4ターン目から始めてゲームエンドまでに15枚ほどは引けそうな気がしてきます。

2・全知に期待せず勝つ事を目指す

 ユースリの1番の魅力である1番下の効果。運が良ければ、最速2ターン目で全知状態になり手札の呪文を好きなだけ0コストで唱えられます。これはレガシーなどで見るオムニテルのような動きでありつつ、忘れがちですが5回のコイントスに勝ってもいるため5枚も手札が増えるので、このまま無限コンボなどにより3キル達成もありえるほど強力です。

 しかしながら、期待値だけで見ると50%を5回ですので単純計算で全知出来る可能性は3%。クラークの親指を使って23%程度です。とてもレベル6の速度でみるとアテにしてはならない数字だと感じています。事実、自分がユースリを使い勝利する際は9割がた”全知なし”での達成となります。

 コイントスと聞くとどうしてもクラークの親指の存在がチラつきますが、ユースリを使って”レベル6で勝つ”ことに重きを置いたときに最も弱い構築が全知を狙った親指複製デッキです。レジェンドルールを破るカード、親指のコピーカード、それらをサーチするためのカードへとスロットを割くと逆に「全知状態なのに実がない」事態に陥りやすく、さらにヘイト値もうなぎ登りであるため、早々にライフを詰められフリップ出来なくさせられるか、ユースリ本体が除去されるか、オリジナルの親指が割られます。

 かといって、それはそれでとても楽しいデッキですので、自身の周りのレベルに合わせてチューニングしてみてください。レッツ全知!

3・ユースリに愛を注ぐ

 ユースリは類似した統率者である「遺跡潜り、ジョリー・エン」と違い、攻撃宣言をする事で効果を誘発させます。誘発を増やす効果やドロー枚数を増やす効果と合わせると強そうにみえますのでまずはそれらを数種類採用します(ドローが勝利に直結するワケではありませんので過信は禁物です)。

 ・ストリオン共鳴体や石製エンジンなどで誘発をコピーする

 ・テフェリーの永遠の洞察やアムラハットの書庫でドロー枚数を増やす

 ・今を生きるや連続突撃で攻撃宣言回数を増やす

 ・青の強みである追加ターン系のカードを使う(ただつよ)

 これらのカードは相性が良さそうなので色と相談しながら合わせて10枚ほどピックしたいところです。ただ、5、6回ほどユースリの能力を誘発させた時点でライフが10点以下となりフリップが難しくなる事が多いため追加ターン系の効果であっても運用には気を付けなければなりません。個人的にはドローを増やしわざと手札を溢れさせ墓地を肥やすという小技が気に入っているので、”追加ターンを得るのは土地を伸ばすため”程度の認識に収めています。

4・ユースリで勝つ(コンボ例)

 ユースリはジョリー・エンと同じく、単独では統率者ダメージ21点を狙えるパワーを持っていないため、基本的にはコンボ系のコマンダーとなります。最近では卒論タコこと”オクタビア”の登場によってどんなコマンダーも21点を頑張れば目指せる!くらいにはなりましたが、どうしてもサブプランの域は越えません。

 赤に寄せるのであれば「ジェスカの意志+反復+弾ける力」か、青によせて「精神力+寺院の鐘」のパッケージが簡単かつ単体ごとでも強力そうです。

 個人的な好みなのですが、「嵐の伝道者、ラル+憤怒の嵐」による無限魔技ダメージや「千年嵐+超過・ミジックスの熟達」などのイゼット団に絡んだコンボよっての勝利をメインのプランにしています。憤怒の嵐の部分は各種2マナのコピー呪文2枚で代用出来ますし、対戦相手の1人が頑張って探査した”ディグ”などをついででコピーする事も出来るため、無限コンボ以外にもなかなか汎用性があります。

 もちろん無限マナ+バリスタなどを加えても良いでしょう。ただ、青赤というカラーパイの都合上、インスタントやソーサリー以外をサーチする事はなかなか難しいです。その不便さもまた、イゼットカラーの魅力なのですが…

5・5枚勝ち”全知”はおまけなのか

 前述した通り、コイン5枚勝ちからの全知モードをアテにする事はなかなか出来ません。しかし、”どんな不利な状況でもターンのたびに3%の大逆転チャンスがあるコマンダー”と見方を変えればなかなか強力そうに見えてきます。

 たとえば、条件を満たせば手札へ戻るグリッドの脈動でデッキを全て引きながらストームを重ねるギミックを積んでも面白いですし、召し上げや荒廃鋼の巨像などの重めな呪文やクリーチャーを積んでも良さそうです。

 調整に調整を重ねた結果、今では使っておりませんが、オリジナルの「全知」を置き、次のターンからでも呪文を踏み倒せるようにケアしても良いと思います。

おまけ・アミナトゥの占いの魅力

 レベル5、6帯は汎用性のあるお手軽な無限コンボをあえて抜く方が多く、殴りジェネラルが好まれる傾向にあるのでターン数が伸びやすい。それ故に高マナ域のカードを使ったコンボなどが撃ちやすい環境です。

 青いデッキを使うのであれば「アミナトゥの占い」や「記憶の洪水」などの1発逆転カードを仕込んでおくのもおすすめです。特にアミナトゥの占いは撃つことでデッキから多くのカードを踏み倒す事が出来、さらにここで記憶の洪水や呪文ねじりなどが捲れるとそこから占いをコピーし16~32枚ほどのカードの中から勝利に結びつくカードを組み合わせることが可能です。

 4で紹介したコンボプランはもちろん、自身が想定していなかったような組み合わせで勝利出来たりもするのでぜひお試しあれ!

『バーテンダーの視(め)』はお酒や料理を題材にバーテンダーとして生きる自分の価値観を記したく連載を開始しました。 書籍化を目標にエッセイを書き続けていきますのでよろしくお願いします。