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ヴァイオリニスト廣瀬心香*室内楽に魅せられて〜前編〜

2024年2月23日、TRIO VENTUS(トリオ・ヴェントゥス)がアルバム「LUX」をリリース。

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アルバム「LUX」
TRIO VENTUS
廣瀬心香(ヴァイオリン)、鈴木皓矢(チェロ)、石川武蔵(ピアノ)
発売元:日本アコースティックレコーズ
録音:2023年10月12日、13日 邑楽町中央公民館(邑の森ホール)
価格:価格¥3,080(税込)
曲目:シューマン: ピアノ三重奏曲第1番 ニ短調 op.63
   ヴォルフガング・リーム: 《見知らぬ情景》 III
   ラヴェル: ピアノ三重奏曲 イ短調
https://www.trioventus.com/discography/lux/
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ピアノトリオ「TRIO VENTUS」のヴァイオリニスト、廣瀬心香さんにアルバムの聴きどころをはじめ、室内楽の魅力、これまでの演奏歴を聞きました(全2回)。

https://www.mikahirose-violin.com/

タイトルはラテン語で「光」の意

lux (ルクス)はラテン語で「光」という意味です。この3つの対照的な作品を「光」というキーワードで繋げました。
私の大好きな言葉で、
「人間の心の奥底へ光を送ること—それこそが芸術家の使命である」
というシューマンの言葉があります。
不穏な世界に光を届けたいという意味で名付けました。
シューマンのこの作品はピアノトリオの作品の中でもよく知られた名曲です。最愛の妻クララへの誕生日プレゼントとなった曲で、最も愛に溢れた曲だと彼女は言ったそうです。森の中の光や暗闇の中の灯火のような光を感じる作品です。

リームの作品は針のように鋭い閃光を放っているような響きの中に、シューマン的な音楽を感じると思います。最後に収録したラヴェルは、ドイツでピアノトリオが発展した後、新しい響きを求めて書かれた作品なので、それ以前の時代に書かれた作品とは趣が違います。ラヴェル自身が育ったバスク地方のリズムやオリエンタルな香りを纏った淡い光を放ちます。
光というキーワードで紡いだこのアルバムの順番で聴いていただくと、自然と身体の中に入ってくると思います。

このアルバムと同じ曲目で、昨年演奏会を行ったのですが、その公演が青山音楽賞のバロックザール賞に選ばれたんです。そういう意味でも、特別なアルバムになりました。ぜひたくさんの方々に聴いていただきたいです。

3月15日(金)に予定しているコンサートは、シューベルトのノットゥルノ、シューマンのピアノ三重奏曲第1番、ベートーヴェンのピアノ三重曲第7番《大公》と曲目は違いますが、組み合わせることで見えてくる新しい世界をこのプログラムでも感じていただけると思います。

後編に続きます。


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