太平洋戦争はこうしてはじまった59
日米開戦が確定的となった新帝国国策遂行要領
首相となった東条英機は、昭和天皇の意思に従い国策の再検討に入った。組閣に際しては特例で自身を大将に昇進させ、陸軍大臣と内務大臣を兼任。これは政治と統帥権の一体化を目指しただけでなく、日米交渉がアメリカ有利に終わった場合に想定される軍民暴動への備えでもあったという。また外相には和平推進派の東郷重徳、大蔵相にも同じく和平派の賀屋興宣を据え、和平前提のかじ取りを試みようとしていた。
ただ、アメリカ首脳部は東条政権に否定的だったようだ