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JC論:商工会議所との違い

青年会議所と商工会議所はよく間違えられます。青年商工会議所と紹介されることもしばしばです。じゃあどう違うの?と言われると答えられるでしょうか?

一言でいうと?

商工会議所は商工業のため、青年会議所は青年のための団体です。

もうちょっと

商工会議所は商工業者が会員となり商工業の発展を目的として、商工会議所法で規制された認可法人です。主に会費・負担金に加え、検定などからの事業収入と政府の補助金で活動している、いわば行政の機能の一部を担う民間団体です。

青年会議所は、社会の発展と、青年の成長と、青年の人脈形成及び国際交流を目的として、20歳から40歳の青年のみが会員となる社団です。主に会員の会費で活動し、青年のみによって意思決定と活動を行う純粋な民間団体です。

より詳細に解説しましょう。

商工会議

商工会議所は、1878(明治11)年に欧米列強と締結した「貿易に関する不平等条約」の撤廃を目的に、商法会議所として設立されました。1890(明治23)年には商業会議所条例が作られ、戦後の1953(昭和28)年には現在の商工会議所法が作られるなど、政治的な意図をもって作られ、法律によって縛られています。商工業者の意志を集約し、行政では行えない商工業の発展のための活動を行う、行政の一部の機能を担う民間団体です。

商工会議所法第6条では、「商工会議所は、その地区内における商工業の総合的な改善発達を図り、兼ねて社会一般の福祉の増進に資することを目的とする」と書かれています。この法律に基づいて各地の商工会議所が作られ、各地の商工会議所を総合調整し、意見を代表する組織として日本商工会議所があります。収入は会費・負担金に加え、検定などの事業収入と補助金です。活動主体は主に商工会議所の職員であり、費用の多くは職員の給与に使われています。

青年会議所

一方、青年会議所は第二次世界大戦終戦直後の1949年(昭和24年)に、「新日本の再建は我々青年の仕事である。」という設立趣意書のもと、東京青年会議所が地域の青年実業家の有志たちによって設立されたことに端を発します。20歳から40歳まで(設立当初は35歳)が正会員となるというルールが厳格に守られた、青年の青年による青年のための民間団体(社団)です。法律の縛りは弱く、もともと法人格のない社団として生まれ、政治的な意図は持っていません。後年社団法人となる青年会議所が現れましたが、現在でも民法上の人格のない社団としての青年会議所も数多くあります。

青年会議所の定款にかかれている目的は大抵、社会の発展と、青年の成長と、青年の人脈形成及び国際交流となっています。青年会議所は個人主義、自由主義、法治主義、個性の尊重、社会奉仕といった価値観を持ち、その使命は青年に成長の発展の機会を与える事であり、ビジョンは行動的な青年のグローバルネットワークとなっています。

1951年(昭和26年)には各地の青年会議所が集まって日本青年会議所が設立され、そののち国際青年会議所に加盟しました。この経緯からも青年会議所の基本的な組織は地域の青年会議所であり、日本青年会議所は各地の青年会議所の総合調整して意見を代表し、国際青年会議所に加盟するための組織として存在しています。収入は会費・登録料といった、会員からの収入が大部分を占めます。お祭りや花火等の大型イベントを行っている青年会議所の場合はその事業への協賛金等もありますが、ない青年会議所の方が多いでしょう。費用の多くは事業に用いられ、職員は日本青年会議所でさえ10数人、地域の青年会議所はせいぜい1人であり、ほとんどの費用は事業のために使われます。活動主体はあくまで会員です。

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