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ポルノ中毒を「再起動」せよ - 『インターネットポルノ中毒』を読んで

健全な範囲で“解消法”に留まればよいが、刺激はさらなる刺激を求めていく。 受動的に高品質で高負荷の刺激を受け続けていく。「もっと」「もっと」と。 無料でアクセスできるコンテンツが多い現代、「もっと」を求めることは容易である。 ギャンブルにはまるような金銭的なリスクは少なく、麻薬を求めるような危険度もない。 安全に無料で容易にアクセスできる刺激物であるがゆえに、深みにハマり、蝕まれていく人が多い。 ゲーリー・ウィルソン 著 山形浩生 訳 『インターネットポルノ中毒 やめら

    • 消費・文化・コミュニケーション - 『消費社会の神話と構造』を読んで

      “消費”というコミュニケーションについて考える。 “消費”することや、“消費”しないことを通して、 私たちは他者に対して、そして自分の内面に対して、コミュニケーションを図っている。 サービスに対しての「金銭」の消費 対価として得た「物品」の消費 余暇を過ごすにあたっての「時間」の消費(や意図的な「浪費」) これらを行う事によって、私たちは自分がどのような価値観を持った人間か、 どのような意思表明を今しようとしているのかを発信する。 その背面で、 “消費”というコミュニ

      • 阿呆な自分で飲まないという狂気に向き合う - 『しらふで生きる』を読んで

        酒飲みにとって、【飲まない】とは闘いである。 お酒は楽しい。 2-3人の友人と深く話し込んだ日も、 友人と近況の交換と昔話に花を咲かし飲んだ日も、 1人で飲んで周りのハジメマシテさん達と場を楽しんだ日も、 1人で様々な思考を駆け巡らせつつ時間に浸った日も、 動画をおともに頭を空っぽにして時間に身をゆだねた日も。 それぞれにそれぞれの楽しさがあり、幸せを感じ「また頑張ろう」と思う。 ただ、与えられた楽しさには毒がある。 町田康 著 『しらふで生きる』 (2019年 第一

        • 自分の中の"依存症"を探し(認め)向き合う - 『The Fix』を読んで

          自分は様々なものへの“依存症”であるという認識が必要かもしれない。 スマホ・糖分・糖質・炭酸飲料・エナジードリンク・お酒・ポルノ・SNS・漫画・ショート動画・自己啓発本・Xのトレンド・炎上コンテンツ・・・・ 思い当たるものを書き出すと感慨深い。 それらは、資本主義の下で繰り広げられる社会・経済によって“依存”させられている。 マーケティングの技法を駆使した結果、多くのモノに対して重層的に“依存”させられている状態を認識したいと思った。 ディミアン・トンプソン著 中里京

        ポルノ中毒を「再起動」せよ - 『インターネットポルノ中毒』を読んで

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        • 読書メモ
          4本