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コケロボットってやっぱり好き。笑

今週は名古屋で開催されていたROBOMECHというロボット系の学会に参加してきました。お気に入りの「コケロボット」についての発表をしてきました。

2年前に発表して以来、これまでプレス発表や展示会などではデモしたことはあったのですが、アカデミックな場では初めてのお披露目です。

発表のタイトルは、以下のような感じで、「自然物を使ったインタフェースの設計論」という文脈で、共同研究先のロフトワークさんとの連名で発表をさせて頂きました。

Development of new interfaces utilizing natural objects for planetary health
- New design for mobile robots and switches utilizing moss -

一般の方へのウケは結構よいコケロボットですが、ロボットの専門家の方々からどんなリアクションがあるのか少しドキドキしながらも、実機も持ち込んで、楽しく発表させてもらいました!

リアクションとしては、「思ったよりカワイイ」「欲しいっ!」という嬉しいお声から、「インタフェースとしての設計手法としての独自性・展開性」、「ロボットが提供できる可能性のある価値」などアカデミアらしいかなり突っ込んだご質問まで多くのフィードバックを頂けました。

これまでもこのnoteや連載などを通じて、なぜコケロボットを作ったのかということは数回紹介をさせて頂きましたが、学会という場でも「自然との共存への意識づくり」「多様な環世界の存在」というキーワードとともに意外と受け入れて頂いたのかなという印象です。(納得いただけたかはわかりませんが、理解は頂いたかなという感じかもしれません)

また、今回の発表では、ユーザ評価の結果を一部公開しました。
プロトタイプを体験した後のアンケートとして、利用者の1/4から1/2の方が「もっと自然について知りたくなった」と答えて頂いたことや、体験後に「街中のコケが増えたように感じる」といった結果に興味を持っていただいた方も多かったです。

もちろん、街中に急にコケが増えることはないので、人間側から見えている世界の見え方が変わった(コケに目が留まるようになっただけ)というのが実際のところかと思います。

今回の発表は、なぜそのような世界の見え方がわかるようなパーセプション?の変化が起こせたのかというのを、インタフェースの「利己性」、「相互性への期待」などから考えてみたというストーリになっています。

松尾芭蕉は「よく見れば なずな花咲く 垣根かな」という句を詠んでいます。詳しい解釈は色々とあるようですが、普段は気にすることのないものに気づくようになるという意味では、コケロボットがもたらした効果も同じような感じなのかもしれません。

一方で、「コケなので、常にかまっていなくても良いのが良いですね~」とか「このロボットを置いておくだけでエアコンの温度とか気にするような気がします」といったコメントを頂くこともできました。

付かず離れずな人とロボットの関係、いつでも卒業できるテクノロジーとしてのコケロボットの存在。そして、一緒に暮らす人の周りへの気遣いを引き出す技術としてのロボット。

直接的に、即効的に、役に立ったりはしないロボットかもしれませんが、やっぱりこんなロボットもあっても良いかもね、と改めて思った学会発表になりました。

学会での発表とかはどんどんメンバーの皆さんに任せていますが、年一回くらいは自分で発表するもの、良い刺激になりますね!笑

では、また来週~!!
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安藤健(@takecando)
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