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大好きな世界へ導いてくれた“きっかけ”


こんにちは、造形作家で衣裳を制作していますAki です。
仕上がった作品を、言葉を繋いで、文章にしてみようと、始めたnote。
noteを始めたばかりの私は『予約投稿』というシステムがあることを先ほど知りました。(でもまだ設定できていないのでこんな時間に投稿)

さて今日は、前回のnote
『長い長い4mの襟』 へたどり着く、少し前のお話です。



秋晴れの気持ちのいい日でした。

「ところで、Akiさんは、服飾はどこで学んだのですか?大学?専門学校?」
「いえ、学んだといえば、学校の家庭科の授業かな?」
「え?」
横断歩道を渡っているYさんの足が、一瞬止まり、勢いよくこちらを振り向いたYさんの様子に、私もびっくりして、足が止まりました。

Yさんとは、あるセミナーで、知り合いました。衣装制作会社のベテランのデザイナーさんです。

私は、OKをもらったこの衣装のデザイン画を手に
「さて、どこから手をつけよう」と、考えあぐねていました。
というのも、それまで何着も衣裳を制作はしていましたが、ここまで大掛かりな衣裳制作は初めてだったからです。

そんな時、Yさんを思い出しました。
図々しい私は、早速、相談を持ちかけたというわけです。
「材料を見ながらお話しした方がいいでしょう。」
というYさんのお勧めで、
縫製資材などを扱うお店へ向かっていました。

場所を横断歩道に戻します。
「え?では・・・これまで縫製の工場とか?・・・」
「いえ、美大の油絵科出身で」(いやいや、そんなことを聞きたいのではなかったでしょう?)

「で、この衣装制作は、何人のチームで?」
「私、一人ですが!? チームではないです。」
Yさんの質問は続きます。
「納期は?」
「撮影は10月26日だから、2週間かな?」
並んで歩いていたYさんの足取りが急に速くなった。
「Akiさん、時間ないですよ! 急ぎましょう!」
私は、Yさんの早足につられ、急ぎ足で、後を追いました。

店に着くと早速、端に縫い付けるコードや芯、ネットや金具など、それひつひとつ資材を手に取り、Yさんは、細かく説明してくれました。
それから、数時間、店舗の中をぐるぐる回りました。
「必要なパーツはもう、買ってしまいましょう!あきさん、また、買いに来るのは時間の無駄ですから。」
そして、つぎつぎ、その場でカゴに入れ、レジに向かいました。


駅の改札口で、深々頭を下げ、Yさんと別れ、
私は、大袋を抱えて、家路に着きました。
別れ際の不安そうな彼女の顔を今でも覚えています。


襞(ヒダ)のバランスをキープするために、裏には針金が通っています。


その時、買って帰った“ホースヘア”
初めて扱う素材に悪戦苦闘し、何日かの奮闘の末、
襟が完成しました。完成したと言っても、やっとひとつのアイテムの完成です。まだ、20以上のアイテムを作成しなくてはなりません。
走るようにミシンを踏み、チクチクとビーズを縫い付け、撮影当日までに衣裳を縫い上げました。(Yさん!ありがとう!!)


友人からもらったネックアクセサリーをレースとビーズでリメイク
ウエストに巻いた飾り。ストライプはサテンのリボンで、この上からビーズを縫い付けました

この制作で、私はすっかり、それまでの『好き』とは明らかに違う、
衣裳制作の魅力の虜となるわけです。(笑)


きょうは、ここまで、
また次回お会いしましょう♫
Aki でした。

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