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#24 味わう日々/エッセイ

秋の香りに癒されて、最近はゆるりとした日常を過ごしている。

毎日お店をオープンするときに、今日生まれたばかりのような新鮮な空気を目一杯吸い込んでみる。
ひんやりとした秋の空気は昨日までの心のわだかまりをろ過してくれるようで、肺に入った空気とともに心も身体も新しくなるような気持になる。
秋晴れの空を見ていると、広大な空の広さと比べると自分の悩みなんてちっぽけに思えてきて、何に悩んでいたのかすら忘れてしまうことがある。空は偉大だ。

ろ過した身体とともに何度か繰り返す深呼吸。
どことなく地球と会話をしているような、そんな気がしてみたり。
地球と会話をするようで、自分の身体と心とも会話をしてみたり。
地球と自分は繋がっているのだなぁとぼんやりと思う。
ただただ今日という日を迎えられるこの瞬間に「有難い」と、心からそう思う。

多忙になると忘れてしまう、ダイジな時間。
ゆるりとひっそりと自分自身と向き合う、ダイジな時間。
自分を愛することを思い出す、ダイジな時間。

心をどこかに忘れて、忙しさのあまり、ついつい自分の心が迷子になることが良くある。迷子は恐怖を生み、時には他者に対しての不安や怒りと化すこともある。後になったら、「なんであの時あんなにイライラしていたのか」なんて。「ごめんなさい」を心の中で呟き、また自分を責め続ける日々。

そんな自分ももちろん大切な自分の一部ではあるが、本当に大切にしたいのはお金でも世間体でも忙しい自分でもなくて、自分を愛する時間と、自然を味わう時間と、ただただ生きていることを味わえる時間である。

明日も秋空とともに深呼吸をして、この美しい世界を味わい尽くしたいと思う。

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