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#25 高校時代のピュアな話/エッセイ

高校時代は可愛い時期があった。
当時付き合っていた彼が死ぬほど大好きで、彼と一緒ならもう何もいらないと思っていたほどであった。(なんだかメンヘラ感が溢れるが)

同じ高校の同じクラスであったが、会うたびに好きが更新されていくような、それも与沢翼のごとく秒速でアップデートされていくようで、iphoneが初代だったはずが1か月弱でiphone15になっているような感覚である。
そのスピードの速さはるや、Apple社も追いつけなくて困るに違いない。(GAFAをパッションだけで追い抜いた女として名を馳せることになるのだろう)

そんなiphone最新verを更新し続けた私の想いは、日々の小さなことでも喜びを感じていた。それはメッセージのやりとりはもちろん、少しの電話、次の遊びに行くまでのお洋服選び等々。

更に小さな喜び系には、可愛いエピソードも。
当時私鉄を使用していた私はよく切符を購入していた。その切符の下には整理番号?の様な4桁の数字が並べられており、その当時に嘘か本当か分からないけれど流行っていたことがあり、【4桁の数字の両端の数字がぞろ目の場合、その真ん中の2つの数字は彼との両想いの確立を示す】というものである。
例えば0880の場合、両想いの確率は88%。やや嬉しくなった。
逆に9009などの場合、0%。一瞬切符を八つ裂きにしてしまいそうになっていた。

切符を買うたびに、(既に付き合っていて両想いであるはずなのに)ぞろ目の切符とその確立に一喜一憂していた。
ちなみに都合が良い性格なので、いい確率の時は(だよね)なんてしたり顔をして、あまり好ましくない確率の時は(は?今日は調子が悪いんだね、、、)なんて切符側のコンディションを疑っていた。
切符側の立場からしたら、整理番号を拡大解釈された上にコンディションが悪いと押し付けられるのだから、たまったものではない。
切符に謝りたいと切実に思う今日である。

そんな彼とはあることをきっかけにさよならをする事になった。
これまたお別れが卒業式の時期と被ってしまい、高校の先生達に「お前、大丈夫か」と謎に心配をされて、卒業どころの話ではなくなった。
数年後に当時の教員の方達とお話をすることがあったが、この話を掘り返されて赤面であった。掘り返すのは芋ぐらいにしてほしいものである。

とはいえ、そこまで好きになれる人と出会えたことが有難かったと今は思っているし、切符で一喜一憂している自分のピュアな気持ちを思い返すと、なんだか愛らしく思える。
また切符を見て一喜一憂するような、そんなピュアな恋をしたいものである。


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