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#26 他愛もない話/エッセイ

昔は漫画家になりたいと思っていた。
メモ帳の束に絵を描きまくっていて、「メモ帳の消費量日本一!」と掲げたくなるほど。
しかしながら、その名誉とは裏腹に、メモ帳を購入する側の祖母から嫌な顔をよくされていた。(あいつにメモ帳を見せてはいけない)と私の前からメモ帳が居なくなる時期が多々あった。あの時期はきっと祖母が、メデューサのごとくメモーサにより、私が石になってしまうことを心配して、隠してくれていたのだと信じている。
そんなこんなで石にならずに済んだ私は、相も変わらず何かの紙を見つけては絵を描いていた。

そして、小学5年生になるとホラー漫画を描き始めた。
「地獄少女」という漫画が流行っており、その影響でひたすら【主人公がいじめられる⇒恨んで地獄少女にお願いをする⇒いじめたやつ地獄行き⇒ターンエンド!(あれ?)】の話を描いていた。染まりすぎた当時の私の口癖は「人を呪わば穴二つ」であった。思い返すと、細木数子の「あんた死ぬわよ」を彷彿とさせる内容ばかりを描いていた。

中学生にあがると、それはもっと勢いを増し、様々なジャンルの漫画をヒソヒソと描いていた。
そんなこんなで結局今は漫画家にはなれず、蒸しパン屋さんを営んでいるが、結構その時の夢中で絵を描いていた自分が好きだったりする。

飽き性だと思っていたが、好きになるととんでもない集中力を発揮して持続する自分もいるのだと、なんだかそう感じた今日である。

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